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“燃え”なければ映画ではない!アツい作品をセレクト

相馬 学

フリーライター

家族を想うとき

世界的な巨匠にしてプロレタリアート映画の鬼才ケン・ローチの目線は、つねに虐げられた労働者に置かれている。本作も、また然り。 家族のために必死で働いているものの、そのために家族と過ごす時間はどんどん失われていく。労働時間はコンピューターに管理され、雇い主は病気だろうが家庭の事情だろうが、働けと言ってくる。フランチャイズという名の奴隷契約。そこに人情が介入する余地はない。こんな世の中でいいのか!? 市井の人々の慎ましい生活をリアルに、ユーモラスに描きながらも、ローチは怒っている。家庭を崩壊に導くのは多くの場合、コミュニケーションの不在だが、それを招く労働条件にも問題がある。重い。これは重いテーマだ。

19/12/25(水)

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