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山内宏泰
ライター
髙畠依子 MARS
20/10/24(土)~20/11/28(土)
シュウゴアーツ
キャンバスと油絵具、このふたつが与えられたとせよ。そこから何を生み出せるか。 そんな命題を自身に課すところから、高畠依子はこれまでずっと制作を進めてきた。 織物であるキャンバスの構造から着想した高畠は、まず細く絞り出した油絵具で、キャンバス上に格子模様を描き出していった。そのうえで風や水や火の力を用いて、絵具とそれの描いた紋様を変成させるなどして、作品を深化させてきた。 今展では新たに、磁力を作品に取り入れようとしている。キャンバス上に磁場を生み出し、酸化鉄でできた顔料を反応させることで、ユニークな画面をつくり出している。 根源的な大きい力によって描かれているからか、どの作品と対峙していても、観ているこちらがちっぽけな存在になって、とてつもなく雄大な何かと向き合っているような気にさせられるのだった。
20/11/6(金)