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水先案内人のおすすめ

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歌舞伎とか文楽とか…伝統芸能ってカッコいい!

五十川 晶子

フリー編集者、ライター

六月花形新派公演『夜の蝶』

時の政治をも動かした昭和の花柳界を舞台に、銀座の高級クラブのマダムたちが華やかに対決する『夜の蝶』。川口松太郎原作の直木賞小説で、発表間もなく舞台化や映画化され、当時ブームとなったという。舞台でも、花柳章太郎と初代水谷八重子、坂東玉三郎や当代の水谷八重子たちが出演してきた作品だ。 今回は新派の女方・河合雪之丞と、現代演劇の女方・篠井英介が競演する。銀座随一の高級クラブのマダム葉子に雪之丞、京都の舞妓あがりのお菊に篠井だ。 お菊のモデルとなっている「おそめ」といえば、祇園の舞妓出身で、後に東京へ進出し、祇園テイストを生かしたバーを出店。川端康成や白洲次郎、大仏次郎や小津安二郎ら文士・名士たちがこぞって通ったとされる伝説のマダム。 とはいえ花柳界への世の中の関心という点では、現代ではもはやあまりリアリティはないかもしれない。しいて言えばドラマで米倉涼子や武井咲が松本清張『黒革の手帖』で銀座のやり手のマダムを演じ話題となったくらいか。だが花柳界の最盛期=高度成長期、日本の“青春時代”に少なからず影響を与えてきたのも事実。その当時の世の中の雰囲気も垣間見えるだろう。 白洲次郎をモデルとした白沢一郎に喜多村緑郎、葉子の妹分のお景に瀬戸摩純、お菊の妹分のお春に山村紅葉。

19/5/29(水)

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