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水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

在りし日の歌

一家庭で子供をひとりしか産んではいけない。 二人目を妊娠しても中絶しなければならない。 中国が人口増で生み出し、1980年代に起こった“一人っ子政策”。 この政策で、沢山の命が奪われ、沢山の悲劇が生まれたといいます。 この映画は、フィクションだけれど、間違いなく、誰かが同じような経験をし、涙も枯れるほどの体験をしながら、その国で生きていくために自分なりの答えを見つけていくことを綴っています。 ベルリン国際映画祭で最優秀男優賞、最優秀女優賞を受賞したワン・ジンチュンとヨン・メイ演じる夫婦の姿をスクリーンで追いながら、気づくと彼らの心に寄り添って、人生を共に体験し、子供を見て、友を見て、自分を見て、心が穏やかになっていく。まさにこの夫婦と歩む30年を追体験。 衝撃のオープニングから、現在、過去を縦横無尽に行き来しながら、静かに未来へと進んでいく構成も見事だし、出来事よりも“感情を見せる”ことを重視した脚本を書いたワン・シャオシュアイ監督の尽力なしには、深い感動は生まれなかったんです。 もうただただ、この監督の才能とキャストの実力に感服。 国が生み出した政策が人を洗脳し、誰かにとっては正義のもと行動をしたと思い込ませ、結果的に誰かを傷つける。けれど、誰も悪くないと伝えてくるこのメッセージこそが、人間にとって必要な、“人への慈愛”そのものだと教えてくれるんです。思い出すだけで泣けてしまう。

20/3/30(月)

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