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【おとな向け映画ガイド】ワルい奴らが警察署内で大バトル!70年代テイストあふれる『炎のデス・ポリス』

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イラストレーション:高松啓二

今週(7/15〜16) の公開映画数は19本。うち全国100館以上で拡大公開される作品が『キングダム2 遥かなる大地へ』『キャメラを止めるな!』『ミニオンズ フィーバー』。中規模公開、ミニシアター系が16本です。そのなかから『炎のデス・ポリス』をご紹介します。

『炎のデス・ポリス』

ここまでやっちゃうかというドンパチもりだくさんのアクション映画。

ネバダ州の砂漠のなかにある小さな警察署が戦場と化す、ある一夜の事件だ。全体のテイストは、『ダーティハリー』や、タランティーノが好きそうな70年代B級ポリスアクション風。つまり、堅いこといわないですぐ銃をぶっぱなしてしまう警官や、おっかないならず者たちが大暴れする、映画ならではの映画だ。

主人公はショートヘアの黒人女性警官ヴァレリー(アレクシス・ラウダー)。拳銃オタクで早撃ちの名手。銃身の長い回転式の銃をホルスターにいれて、これで悪党どもを打ち負かす日を夢みている。バイクオタクが白バイ乗りになったというようなもの。

銃は、ダーティハリーにあこがれたのかと思ったが、このコラムのイラストを描いてくれている高松啓二さんに、指を左右にふり「チッチッチ」と舌打ちされた。彼女の銃は44口径の“スターム ルガー・ブラックホーク”というやつ。これはダーティハリーの使ったものとはちがう。有名なところでは日本のコミック『ドーベルマン刑事』の加納が持ってた銃、とのことである。

街で騒ぎを起こし、パトロール中のヴァレリーを殴り、逮捕されたテディという悪党(フランク・グリロ)が警察署内の留置場に入れられる。テディは名うての詐欺師で、マフィアに追われている。つまり留置場が彼にとっては避難場所、というわけだ。が、マフィアにとってそんなことは想定内。酔っぱらいを装った殺し屋がすでに留置場に送り込まれていた……。そのすご腕ヒットマンの名はボブ(ジェラルド・バトラー)。そこから留置場のなかでの悪党同士の戦い、悪党VS警官たち、さらに署内の警官同士のトラブルと、幾重にも絡んだ深夜の“デス・バトル”が繰り広げられるのだ……。

“警察署内”という閉じられた場所でのアクションサスペンスとして、ジョー・カーナハン監督が参考にしたと思われるのは、ジョン・カーペンター監督の『要塞警察』(1976年) 。移送中の死刑囚や犯罪者が警官たちと手を組み、警察署を要塞にしてテロリストと戦うという内容。DVDで観直したが、この作品と設定が似ている。でも『炎のデス・ポリス』の方がテンポはあるし、アクションシーンもかなり過激だ。

特に後半。バッグス・バニーの風船ブーケをかかえて受付にひょこひょことあらわれ、突然セミオート銃を撃ちまくり、警察署を血の海に変えるサイコパスのようなマフィアの最終兵器アンソニー(トビー・ハス)が登場すると、一挙に緊張感がはりつめる。その過激さは観る者の血圧をあげる。実にからだによくない映画なのだ。

ともかく、女性警官ヴァレリー(超カッコいい!)以外、警察の同僚も含めろくなヤツがいないなかで、どいつが生き残るのか? 警察署内の殺し合い、先のよめないそのクレイジーな連中のバトルロイヤル、信じられないような数の銃弾が飛び交う……まさに映画でしかあってはいけない世界をご満喫ください。

【ぴあ水先案内から】

立川直樹さん(プロデューサー、ディレクター)
「……エンディングにジェラルド・バトラー演じる殺し屋とアレクシス・ラウダー演じる警官にマルチ画面でカーティス・メイフィールドの『フレディズ・デッド』を歌わせるセンスが最高。……」

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植草信和さん(フリー編集者)
「……虚々実々の駆け引き、スリリングな銃撃戦、どんでん返しなど、B級映画の楽しさに充ち溢れていて最後まで飽きさせない……」

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