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ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > 第44回ぴあフィルムフェスティバル2022 特集

映画ファン必見! 今年の注目ポイントは?
第44回ぴあフィルムフェスティバル2022 特集

9月10日(土)~9月25日(日)国立映画アーカイブ(京橋)にて開催 ※月曜休館
9月10日(土)~10月31日(月)DOKUSO映画館+U-NEXTでオンライン配信

PFF公式サイト/SNS

Copyright © PFF General Incorporated Association.

世界最大級の自主制作映画のコンペティション“PFFアワード”を擁する映画祭「ぴあフィルムフェスティバル2022」が9月10日(土)~25日(日)、東京・京橋の国立映画アーカイブで開催!

今年は520本の応募作品の中から入選した、16作品のPFFアワード作品が上映され、最終審査員らにより各賞が決定する。

ほかにも今年3月21日に逝去した青山真治監督の初期作を集めた特集、今年生誕100年を迎えるイタリアの映画監督パゾリーニの特集、PFFスカラシップ作品のお披露目など豪華プログラム&ここでしか観られない貴重な作品が集結!

映画ファンなら見逃せない今年の注目ポイントをご紹介します!

あなたが“新たな才能”の発見者になれる!
映画祭のメインプログラム<PFFアワード>

PFFがメイン・プログラムに置く<PFFアワード>は、映画の道を志す新たな才能に開かれた自主映画のコンペティション。今年『流浪の月』が公開され話題を呼ぶ李相日監督、今年のカンヌ国際映画祭で『PLAN 75』が特別表彰された早川千絵監督、『川っぺりムコリッタ』が間もなく公開の荻上直子監督ら、現在の日本映画界の第一線で活躍する監督たちを数多く見出してきた。これまで入選を経て、プロになった監督たちは170名以上。いわば次世代の才能が集う場であり、観客サイドからみると今後映画界を担うかもしれないクリエイターの第一歩に立ち合える場となっている。

今年、入選を果たしこの場に立つのは17名(16作品)の新鋭たち。その作品は、ブラック企業に勤める男から、いまの社会の不条理、幸せの在り様がみえてくるアニメーション『MAHOROBA』、不器用な大学生ふたりの対立と友情を描く青春ドラマ『バンド』、狂気の復讐劇『瀉血』など、実にさまざまなタイプのものが揃う。

(左)『MAHOROBA』 (右) 『瀉血』

その中にあって、今回の大きな特色といっていいのがドキュメンタリー映画の存在。『アクト』『彼は誰時(かわたれどき)』『Lock Up and Down』『ポラン』という4作品が見事入選を果たした。

『アクト』は、舞台を中心に活躍する俳優の田中夢が初監督したセルフ・ドキュメンタリー。育児、俳優活動、大学での学業が重なり、休む間もない自身の日常生活にカメラを向ける。その日々が映し出すのは、育児と仕事の両立に悩む女性の切実な声とリアル。子育て世代の女性たちに共感を呼びそうな1作になっている。

また、その時代や社会情勢を色濃く反映する作品が多いのも自主映画のひとつの傾向。閉店を決めた古書店の最後の日々を記録した『ポラン』と、ロックダウン下のハノイを舞台にした『Lock Up and Down』は、コロナ禍が確実に刻まれたドキュメンタリーになる。

これら16作品がしのぎを削る<PFFアワード2022>の会期は10~18日まで。映画監督の菊地健雄と三島有紀子、俳優のとよた真帆と光石研、浪曲師の玉川奈々福が最終審査員を務め、22日に各賞を発表。映画祭最終日となる25日には、グランプリ&準グランプリ作品が一挙上映される。

今年の審査員 (左から) 菊地健雄、玉川奈々福、とよた真帆、三島有紀子、光石研

なおアワード作品はオンライン配信もあり!会場に足が運べない方は、こちらでチェックしてほしい。

「自主映画」というと、いまだに「低予算で内容が暗い」いったイメージを抱かれがち。でも、近年の自主映画はおそらく想像するよりレベルもクオリティも高い。そのひとつの表れとして、ここ数年のPFFで入選した作品が、今年に入って5本も劇場公開されている。先入観を捨てて、未知の可能性を秘めた才人たちの最新の自主映画に出合ってみてはいかがだろうか?

今年は前売券のみ! チケットぴあにて発売中
チケット購入はこちら
販売期限:各上映の15分前まで
料金:一般/65歳以上:1000円 高大生700円
小中生/障がい者/キャンパスメンバーズ:500円
※会場でのチケット販売・発券(当日券)はありません。紙のチケットをご持参ください。
※チケットは会場では発券できません。必ず各コンビニで発券して会場までお越しください。

「PFFアワード2022」入選作品オンライン配信
【配信期間】9月10日(土)12:00~10月31日(月)23:59
【料金】短編100円、中編200円、長編300円
【配信プラットフォーム】
①DOKUSO映画館
4作品パック(600円)、16作品観放題パック(2400円)もあり
「観客賞」にネット投票可能!GOLD、PURPLEプランの方は10%割引

②U-NEXT
「U-NEXTポイント」で視聴可

※「PFFアワード2022」受賞結果はこちら。アワード作品は10月31日(月)までDOKUSO映画館+U-NEXTでオンライン配信中。

日本初上映の作品も! イタリアの異端児パゾリーニ
生誕100年企画「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」

パゾリーニ特集では『イタリア式奇想曲』など日本初上映作品も!

新たな才能を紹介する<PFFアワード>をメインに据えるPFFは、映画ファンはもとより映画を実際に作っている、作ろうとしているクリエイターに向け、「若い監督たちにとっての発見や学びの場になるよう」との思いのもと、「今こそ知ってほしい」監督や「いまこそみてほしい」過去の名作の特集が組まれている。今年、焦点を当てるのはピエル・パオロ・パゾリーニだ。

パゾリーニは、映画監督はもとより小説家、詩人、脚本家、評論家、俳優、思想家、活動家などさまざまな顔をもったイタリアの才人。53歳の若さでこの世を去り、その死もいまだ謎に包まれている伝説の映画人だ。今回は、生誕100周年という節目を迎えた彼に焦点を当てる。

「コンプリート上映に限りなく近いラインナップを目指した」という上映作は、全部で全16作品。監督デビュー作『アッカトーネ』から、遺作となった『ソドムの市』まで、パゾリーニの映画監督としてのキャリアの軌跡をたどる。

(左)監督デビュー作『アッカトーネ』 (右)遺作となった『ソドムの市』

おすすめを聞かれると答えに窮するほど、一度は観ておきたい作品ばかり。<生(エロス)の三部作>と称される『デカメロン』『カンタベリー物語』『アラビアンナイト』といった代表作はもとより、『愛と怒り』といったパゾリーニがほかの名匠たちと参加したオムニバス映画も網羅し、日本初上映作品も4本を数える充実のラインナップとなっている。

(左)ベルリン国際映画祭金熊賞受賞『カンタベリー物語』 (右)短編から『「奇跡の丘」のためのパレスチナ訪問』 © Cristina D’Osualdo. Tutti i diritti riservati.Pubblicato per gentile concessione della VIGGO Srl.

さらに触れておくとPFFで上映される16作品に『奇跡の丘』『テオレマ』『王女メディア』を加えた19作品が渋谷・ユーロスペースに場所を移し10月22日(土)より再上映されることもすでに決定済みだ。

映画史に名を残す監督とはいえ、すでに亡くなって50年近くが経過。今後、これだけ多くの貴重な名作の数々に触れられるチャンスがあるのかは定かではない。このまたとない機会を逃さないように!

【チケット情報】
一般/65歳以上:1500円 高大生:700円
小中生/障がい者/キャンパスメンバーズ:500円
チケット購入はこちら
販売期限:各上映の15分前まで
※会場でのチケット販売・発券(当日券)はありません。紙のチケットをご持参ください。
※チケットは会場では発券できません。必ず各コンビニで発券して会場までお越しください。

青山真治監督特集ほか監督・ゲスト登壇の特別プログラムや
PFFスカラシップの世界初披露も!

青山真治監督特集より『赤ずきん』 撮影:池田正之 (C)Naoko Tamura 

<PFFアワード2022><パゾリーニ特集>のほかにも、PFFは注目の企画が目白押しだ。映画の作り手があるテーマをもとに映画を選び、その作品について語り尽くす恒例の<PFFスペシャル映画講座>は、早川千絵監督と水野詠子プロデューサーが短編から長編となった『PLAN 75』の軌跡を語る『日本に少ない、短編を長編にする試み』など、3つの講座がスタンバイ。

(C)2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee

こちらも恒例、ピーター・バラカン氏の解説付きで音楽映画を楽しむシリーズ<ブラック&ブラック>では、『ザ・ビッグ・ビート:ファッツ・ドミノとロックンロールの誕生』をピックアップ。本ドキュメンタリー作品を通して、今に続くロックンロールの原形を作ったとされるファッツ・ドミノの功績を紐解く。「キング・オブ・ロックンロール」と称されたエルヴィス・プレスリーが「ロックンロールの王様」と敬意を表したという偉大なるミュージシャンのどんな秘話が明かされるのか注目だ。

また、今年3月21日に急逝した青山真治監督の特集も実施。音楽家、小説家、舞台演出家、批評家などその仕事は多岐に及ぶが、PFFでは1997年の『WiLd LIFe』をはじめとした初期監督作品に当たる35mmフィルム5作品が上映される。本特集はチケット発売開始後、早々に完売したが、急遽『赤ずきん』『路地へ 中上健次の残したフィルム』の2本立てプログラムを、映画祭最終日に追加上映することが決定! こちらはまだ発売中なので、チケット未購入の方はお早めに!

<PFFスカラシップ>最新作『すべての夜を思いだす』 (C)PFFパートナーズ=ぴあ、ホリプロ、日活/一般社団法人PFF

最後になるが、映画祭開催を告げるオープニング上映作は、PFFの入選監督のオリジナル企画を、PFFが企画、製作、劇場公開までトータルでプロデュースするプロジェクト<PFFスカラシップ>の最新作『すべての夜を思いだす』。<PFFアワード2017>でグランプリに輝いた『わたしたちの家』の清原惟監督が手掛けた本作が、この日、世界初上映のときを迎える!

オープニング 第26回PFFスカラシップ作品 完成披露

『すべての夜を思いだす』
※上映前に、清原惟監督ほかゲストによる舞台挨拶を予定

青山真治監督特集

『赤ずきん』『路地へ 中上健次の残したフィルム』の2本立てプログラムが追加上映(9月25日)決定! 詳細はこちら

PFFスペシャル映画講座

「日本に少ない、短編を長編にする試み」
講師:早川千絵(映画監督)、水野詠子(プロデューサー)
上映作品:『PLAN 75』

「人生を変えた映画がある」 講師:藤元明緒(映画監督)、村田悦子(gnome(ノーム)代表)
上映作品:『動くな、死ね、甦れ!』

「青山真治の音響、そして音楽」 ※完売しました
講師:菊池信之(音響技師)、長嶌寛幸(音楽家) 進行:松井 茂(詩人)
上映作品:『私立探偵濱マイク 名前のない森』

ブラック&ブラック~映画と音楽~

『ザ・ビッグ・ビート:ファッツ・ドミノとロックンロールの誕生』
※日本初上映
※上映前にナビゲーターのピーター・バラカン氏よるトークを予定



テキスト:水上賢治