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ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > 『おしょりん』特集 日本の底力を見せつける! 教科書には載らない胸アツストーリー

我々の日常は“ここ”から始まった! 映画『おしょりん』が熱すぎる!
『おしょりん』特集

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感動作『おしょりん』が11月3日(金)から全国で公開になる(福井県では先行公開中)。

本作が描くのは、福井で初めてメガネ作りに挑んだ人たちのドラマ。強烈な個性をもつ登場人物が次々に登場し、観る者のテンションがあがる展開の連続だ。日本の底力を見せつける、しかし教科書には載らない“胸熱”ストーリーがついに明かされる。

1:知識ゼロから“メガネ”をつくる! 最難ミッションに挑む男たち

本作の舞台は明治時代の福井。足羽郡麻生津村(あすわぐんあそうづむら)の庄屋の長男・増永五左衛門(小泉孝太郎)と、その妻むめ(北乃きい)は仕事や育児に忙しくも平穏な日々を送っていた。そんなある日、五左衛門の弟・幸八(森崎ウィン)が勤め先の大阪から帰郷し、村でメガネづくりを始めないかと持ちかける。

当時、まだ村の多くの人はメガネの存在すら知らなかったが、幸八は、活字文化が普及すればメガネは生活の必需品になると説く。村は冬には収穫がないため、この事業が成功すれば、村の暮らしの助けにもなると語る。初めて見るメガネに村の生活を賭けるなどもってのほかと村人は反対。しかし、視力の弱い女の子がメガネをかけて満面の笑みを見せたことから、五左衛門はメガネ作りを決意する。

村人が五左衛門の工場に集まり、メガネ作りが始まるが、知識も経験もない彼らの“見よう見真似”のメガネは売り物にならない。やがて資金も底を尽き、融資の返済に追われる日々。しかし、五左衛門も村人たちも決して諦めない。何度も失敗を繰り返し、自らの信じる道を突き進んでいく。やがて、彼らは人生の命運を決める“ある賭け”に打って出る!

本作は、ストーリーだけ読むと定番の“立身出世もの”や“地域の成功ドラマ”に思えるかもしれない。しかし、映画『おしょりん』はそんな思い込みを大きく凌駕する熱いドラマが待ち受けている。

そもそも彼らはどう考えても成功するとは思えない。メガネ作りに村の未来を賭けると言うが、そもそもメガネを初めて見たような村人ばかりで、知識などなく、資金もなく、作ったメガネを売ったり、宣伝するコネもない。現在の言葉で言うなら、始める前から“詰んでいる”状態だ。

しかし、増永五左衛門・幸八の兄弟と村人たちはその壁を突破しようとする。経験がないなら、まずは自分で手を動かして作ってみればいい。出来が悪ければ何度でも改良すればいい。分からないところは腕のある人間に教えてもらえばいい。彼らはメガネを自分たちで作って成功する、という“最難ミッション”を次から次に策を立ててクリアしていく。その姿は痛快&爽快! 不安やトラブルに立ち向かい、不可能を可能にしていく者たちのドラマは観客の思い込みや、既成概念を突き崩すことになるだろう。

映画『おしょりん』は、まるでメガネをかけたときのように、周囲の風景や、自分の可能性の見え方が変わるほどのパワーを秘めているのだ。

2:向こう見ずな者たちの“プライド”をかけた戦い

この社会にないものを自分たちの手でつくりあげる。そんな人々の挑戦を経て、私たちはテレビやコンピュータ、メガネや電子レンジのある暮らしをしているのではないだろうか。そのチャレンジは、部外者から見れば“無謀”と思えるかもしれない。映画『おしょりん』には、よくある“お仕事ドラマ”には絶対に出てこない無謀に挑む者たちが次から次へと登場する。

五左衛門の工場に集まったのは、そもそも工場で働いたことすらない農民たち。その道は誰かの敷いたレールの上を走るのではなく“ない道をつくる”作業だ。ここには優等生や器用な人間は存在しない。退路を絶って未知の世界に挑む向こう見ずな者たちの挑戦と失敗、そして“わずかな”前進は、手に汗握るスリリングな道のりだ。

ポイントは彼らが努力だけでなく“工夫”や“アイデア”を駆使して難局を突破していくこと。最初はそれぞれが作業に励んでいるが、やがてチームを組んで作業するようになり、その過程で得た経験やノウハウは独占せずに工場全体で共有していく。この物語の数十年後、日本の製造業は世界から注目され、その手法や改善法が研究の対象になるが、その原点はすでに“福井のメガネ工場”にあったのだ!

さらに彼らは今も世界の人が称賛する日本の丁寧なものづくりや美学をも先取りしている。メガネは人が常に身につけるもの。彼らは失敗ばかりしているが、改良を続ける過程でいつも“メガネをかける人”のこと考えて、新作を生み出していく。さらにフレームには細かな装飾や、細部へのこだわりが加えられる。なくても製品の機能には問題はない。でも、その“こだわり”が手にした人を幸せにするのだ。

彼らは失敗ばかりする劣等生だが、その奥底には誰もが敬愛する“職人魂”が宿っている。

本作に登場するのは、ただ苦難に耐える優等生ではなく、未踏の道を、仲間と助け合って進んでいく“熱いヤツら”だ。欠点もある、ミスも失敗もする、でも憎めない、思わず応援したくなる!

3:“誰かのため”だから頑張れる! 本作の感動ポイント

映画『おしょりん』のもうひとつのポイントは、本作が才能のある特定の偉人の物語ではなく、“チーム”の物語を描いていることだ。

彼らは大金を手にしたい、とか社会的に有名になりたい、とは考えていない。思い返せば、彼らがメガネ作りを決意したのは、視力の弱い村の子どもがメガネをかけて大喜びしたのを見たからだ。彼らは家族のため、村の仲間のためにメガネ作りに励む。“誰かのため”だから頑張れる。だから工場では、職人たちが腕を磨き、ライバルとして切磋琢磨するが、成功するときは一緒に成功しようとする。村の全員が仲間で家族なのだ。

中でも五左衛門の妻、むめの姿は観る者に深い感動を与えてくれる。彼女は五左衛門と幸八の兄弟がどれほど追い詰められても、彼らを信じ、村人たちのために奔走し、彼らの夢を懸命に支えようとする。幾度も挫折し、心が折れそうになる兄弟や職人たちを時に鼓舞し、そっと寄り添うむめの芯の強さ、夢を信じる心は多くの観客のハートをしっかりと捉えるだろう。

本作が描くのは、メガネ作りを成功させる者たちのドラマではなく、メガネ作りを通じて家族や仲間の“しあわせ”を追い求める者たちの物語だ。誰かひとりだけ成功したのでは家族は幸福になれない。工場の一部の職人が出世したのでは仲間たちで笑い合えない。しかし、彼らは家族や仲間全員が笑顔になる道を見つけ出す。

本作が描く“アッと驚く結末”は、村人だけでなく映画を観たあなたも笑顔にするはずだ。

『おしょりん』
10月20日(金) 福井先行公開
11月3日(金) 全国公開
公式サイト
(C)「おしょりん」制作委員会