我々の日常は“ここ”から始まった! 映画『おしょりん』が熱すぎる!
『おしょりん』特集
感動作『おしょりん』が11月3日(金)から全国で公開になる(福井県では先行公開中)。
本作が描くのは、福井で初めてメガネ作りに挑んだ人たちのドラマ。強烈な個性をもつ登場人物が次々に登場し、観る者のテンションがあがる展開の連続だ。日本の底力を見せつける、しかし教科書には載らない“胸熱”ストーリーがついに明かされる。
アツい男たちの胸熱ストーリー
『おしょりん』の見どころは?
「この役は僕のまんまです!」
森崎ウィンにインタビュー!
メガネづくりの“きっかけの男”幸八を熱演!
『おしょりん』森崎ウィン直撃インタビュー!

映画『おしょりん』で森崎ウィンが演じたのは、福井でメガネ作りがはじまる“きっかけ”をつくった人物のひとり、増永幸八。彼は、勤め先の大阪から福井に帰郷し、兄や村の人たちにメガネ作りを持ちかけ、共に夢を追いかける。
本作の舞台は1904年(明治37年)で、幸八は実在の人物だが、森崎は「この作品ではあえて増永幸八について調べたり、勉強する必要を感じなかった」と振り返る。理由は明確だ。「幸八さんには今の自分と通ずる部分がすごくあったんです」
僕が演じた幸八は“今の僕のまんま”なんです
本作は、現在では日本のメガネの9割以上を生み出している福井県でメガネを作り始めた人々の物語だ。まだ人々の暮らしにメガネが普及していなかった時代に、幸八はメガネが未来の必需品になると説く。
「最初に脚本を読んで、純粋にワクワクしましたし、この物語に描かれているような先人がいたことで、今の日本があるんだと思ったんです。まだこの世にないオリジナルなものを生み出す人は、最初は周囲から叩かれることもあるし、上手くいかないことも多い。でも、彼らはそれを打開して自分たちの道をつくってきた。読んでいてすごいパワーをもらえました。だから、この役を演じることで自分がパワーをもらったように、自分も誰かのパワーになれたら、という気持ちでした」
森崎が語るとおり、本作に登場する人々は、増永五左衛門・幸八の兄弟をはじめ、みなパワフルで、あらゆる壁や問題を乗り越えようと必死に行動する。まだ見たこともないようなものを作りたい。そのことで人を助け、村を救いたい。そんな想いは、現在の森崎の姿勢とシンクロする部分があったようだ。
「“自分がこの映画に呼ばれた意味がここにあるのか”と思えるぐらい、幸八さんには今の自分と通ずる部分がすごくあったんです。僕のやっていることはメガネづくりではないですが、僕も誰もやっていないオリジナリティのあることをやりたくて、森崎ウィンとしていろんな道を制覇したいという気持ちで活動しているので、幸八さんのやろうとしていることや姿勢にはすごく感銘を受けましたし、自分がやろうとしているのはこういうことだな、と思える部分がありました。
だから、幸八は“今の僕のまんま”なんですよね(笑)。もちろん、先人に対するリスペクトがありますから、演じる上で今の自分を押し出すようなことはしていません。でも、この作品ではあえて増永幸八について調べたり、勉強する必要を感じなかったんですよ。そんなことよりも、彼らの想いをしっかりと受け継いで、今の自分の想いと重ねて演じることができれば、“役づくり”をする必要はないと思いました。セリフを言うたびに“幸八さん、今の僕の気持ちを代弁してくれてありがとうございます!”って気持ちになってましたね(笑)」

全編が福井で撮影された意義
さらに森崎は、本作が福井県で撮影されたことも大きかったと言う。
「この映画では、福井のいろんな場所でロケをして、現地の方にもエキストラで参加していただきました。僕たちキャストやスタッフも、基本的には約1カ月間、福井にずっといて、その土地にあるものを感じながら、全編を撮影することができた。それは本当に大きかったです。
時代は違えど、その土地がもつ雰囲気だったり、撮影後の調整や仕上げ作業では表現できない空気感がちゃんと映像に写っているんですよね」
さらに劇中に登場する子役も、現地のオーディションで選ばれた。増永兄弟ら村人たちが、メガネ作りを決意するきっかけになる村の子どもを演じたのも、現地で暮らす女の子だ。
「あのシーンの彼女の演技は、プロの俳優や鍛えられている子役じゃできない、すごいものでした。本当に素直な子どもだから表現できるものもあるし、彼女の内面とたたずまい、雰囲気がすべて合わさって、映画を撮っているんだけど、あの瞬間だけドキュメンタリーの領域に潜り込んだような感覚がありました。
映画って、リアルとファンタジーのバランスだったり、計算があると思うんですけど、あのシーンを撮っている時は“映画と現実の狭間”にいるような感じがしたんです。彼女は特別なことをしているわけではないんですけど、僕は素直に“この子のためにもメガネ作りをやろうよ!”って気持ちになれた。福井県に行って撮影できたことは本当に贅沢でしたし、全編を福井で撮影することはプロデューサーをはじめ、この映画の作り手のこだわりでもあったと思います」

見え方を変えることで世界は変えられる
映画『おしょりん』が描くのは、登場人物たちの熱く、ひたむきな姿と、ものづくりにかけるこだわり。どんな窮地に陥っても、諦めずにさらに前に進もうとする姿は、“真面目”や“優等生”とはほど遠い破天荒な魅力すら感じさせる。
「確かに世にいう“優等生”という枠にはハマらない人たちですよね(笑)。小泉孝太郎さんが演じた増永五左衛門がちゃんとリアリスティックな立場にいて、誰もやっていないことに人生を賭けて、そんな事業にあれだけの財を投じて大丈夫なのか?と問いかけてくれる。でも彼らはそれを突破して前に進んでいく。それって本当にすごいことだと思うんです。僕らは社会のいろんなルールに縛られていますけど、そのことだけ考えていたら何もできなくなる。それを打開する人が必要だし、そういう人が社会を動かしていくんですよね。
だから、この映画は“メガネを作る人の話”ではなくて、“物事の捉え方を変えることで、世界は変えられる”ということを描いているんだと思っています。職人たちも熱い想いを持っていて、ひとりではできないこともチームを組んで、お互いに勝負しながらすごいものを作り、それまで不可能だったことも、見え方を変えることで打開していくんです。
それに、この映画を通して“日本人のものづくりのすごさ”をあらためて感じました。最初に脚本を読んだときから“日本には昔からこれだけすごい技術を持った人たちがいて、だから今も昔も日本の製品は世界中で愛されているんだ”と思えたんです。メガネ作りでも他の国なら“かけて見えればいい”で済ませるところを、日本だと“かけ心地”を追求し、ものづくりのルールやロジックを自分たちで生み出していく。やはり日本の製品は世界で愛されるよな、って。
だから、今の日本についていろいろ言いたいことのある人もいるかもしれないですけど、僕はこの国に生まれた人はそのことを誇りに思ってほしいですし、この国には良い部分がこんなにもたくさんあるんだよって言いたいです。(ミャンマーで生まれ、その後に来日した)僕みたいな外から日本にやってきた人間から見ると、この映画は、日本というのは本当にすごいんだとあらためて認識できる作品になりました。
アツい男たちの胸熱ストーリー
『おしょりん』の見どころは?
「この役は僕のまんまです!」
森崎ウィンにインタビュー!
『おしょりん』
10月20日(金) 福井先行公開
11月3日(金) 全国公開
公式サイト
(C)「おしょりん」制作委員会
※森崎ウィン
撮影:映美
ヘアメイク:KEIKO
スタイリング:内田あゆみ(creative GUILD)
衣装協力:シャツ42,900円 EYCK(EYCK SHOP MAIL:info@eyck.tokyo.jp)、ベスト22,000円、ジャケット38,500円、パンツ22,000円 共にFACTOTUM(Sian PR TEL:03-6662-5525)、シューズ114,400円 Alden(株式会社 ラコタ TEL:03-3545-3322)、その他スタイリスト私物 ※全て税込価格