新しい“映画との出会い”がきっとある！
月イチ！“ぴあテン”ランキング
2024年2月公開の「みた」映画ベストテン！

エンタメの出会いと発見を提供する「ぴあアプリ＆Web」が新たに贈るランキング企画『月イチ！“ぴあテン”ランキング』がスタート！　「ぴあアプリ＆Web」でいつも映画のレビューを執筆していただいている「水先案内人」合計27名の皆様に、2024年2月公開の「みた」映画の中から特に良かった作品、好きだった作品、高く評価している作品を投票していただいたベストテンを発表します！

本企画は、毎月中旬頃に発表予定。また同時に、同じく「水先案内人」の皆様に聞いた「これからみたい」映画ベストテンも毎月発表していきます。ふたつのランキングで、映画ツウたちがみた上で高く評価した作品や期待している作品をチェックして、新しい“映画との出会い”をお楽しみください！

【ランキング投票方法】
水先案内人合計27名に2024年2月公開の「みた」映画の中からそれぞれがベスト3までを挙げていただき、1位：5点、2位：3点、3位：2点のポイントを付けたうえで集計したもの。対象は2024年2月1日～2月29日に日本で劇場公開された作品で、映画祭や特集上映での公開作、配信のみの作品、ブルーレイ・DVDのみでの発売作品は含みません。

→水先案内人が投票する、2024年1月公開の「みた」映画ベストテン　へ

→水先案内人が投票する、2024年3月公開の「これからみたい」映画ベストテン　へ

→水先案内人が投票する、2024年4月公開の「これからみたい」映画ベストテン　へ

ぴあ水先案内人27人が投票！
2024年2月公開の「みた」映画ベストテンはこちら！

1位

夜明けのすべて

公開日：2024/2/9(金)　

27pt

同1位

落下の解剖学

公開日：2024/2/23(金)　

27pt

3位

コヴェナント/約束の救出

公開日：2024/2/23(金)　

26pt

同3位

瞳をとじて

公開日：2024/2/9(金)　

26pt

5位

ボーはおそれている

公開日：2024/2/18(木)　

23pt

6位

ダム・マネー　ウォール街を狙え！

公開日：2024/2/2(金)　

18pt

7位

カラーパープル

公開日：2024/2/9(金)　

14pt

8位

梟―フクロウ―

公開日：2024/2/9(金)　

13pt

9位

罪と悪

公開日：2024/2/2(金)　

12pt

10位

犯罪都市 NO WAY OUT

公開日：2024/2/23(金)　

11pt

【ランキング総評】
2024年2月の「みた」映画ランキングは、『夜明けのすべて』と『落下の解剖学』がどちらも27pt獲得の同点1位に！　『夜明けのすべて』は6人が投票したうち5人が1位としたのに対し、『落下の解剖学』は1位としたのはふたりだったものの、7人が2位か3位に入れるという対照的な加点の形になりました。

『夜明けのすべて』には、「三宅唱の新たな代表作であり、松村北斗が日本映画俳優のトップに躍り出た記念碑」（相田冬二）、「シリアスなテーマを扱っているのだが、どこかほんわりとしたユーモアも感じられる、優しい映画」（坂口英明）といった声が、一方『落下の解剖学』には、「緻密な脚本と演出が見事」（平辻哲也）、「終始曖昧な表現で見る者を不安の迷宮に誘い込む」（渡辺祥子）といった声が寄せられています。

また、3位も僅差の26ptで『コヴェナント/約束の救出』『瞳をとじて』が同着の結果に。『哀れなるものたち』が独走となった前月1月から一転、1pt差の中に4作品が入るという大混戦の結果になりました！

ぴあ水先案内人から寄せられた選出コメント

相田冬二
Bleu et Rose／映画批評家

2024年2月公開の「みた」映画ベスト3
①夜明けのすべて
②ボーはおそれている
③雨降って、ジ・エンド。
【選出コメント】
2月は大豊作。①三宅唱の新たな代表作であり、松村北斗が日本映画俳優のトップに躍り出た記念碑。②現代アメリカ映画の最高峰に位置する揺るぎない傑作。アリ・アスター自身、今後これを超えるのは難しいだろう。③群青いろが従来の殻を打ち破った快作。古川琴音も最良の存在感。東出昌大ドキュメント、ゴダール遺作も◎。

池上彰
ジャーナリスト

2024年2月公開の「みた」映画ベスト3
①ダム・マネー　ウォール街を狙え！
②一月の声に歓びを刻め
③コヴェナント/約束の救出
【選出コメント】
①は実際にアメリカで起きた出来事。株式市場で大儲けを企む金持ちに対し、庶民がネットで連携して一泡吹かせるという痛快な物語。ネットの力を痛感させます。②は、生きていくことの哀しさを痛感します。その背後に監督の実体験があったことを知ると、監督の人生の中間総括でもあるのだと思いが至ると感想は格別です。③は、「こんなことがきっとあったのだなあ」と思いながら見ることのできるアクション映画です。結局、私は「実際にあったであろうこと」という映画ばかりを選んでいるのですね。ノンフィクションが好きなのだと自覚します。

坂口英明
編集者（ぴあ）

2024年2月公開の「みた」映画ベスト3
①夜明けのすべて
②ネクスト・ゴール・ウィンズ
③身代わり忠臣蔵
【選出コメント】
①とてもシリアスなテーマを扱っているのだが、どこかほんわりとしたユーモアも感じられる、優しい映画。②世界最弱の米領サモアのナショナルチームがいかにして予選で1点をいれたか！　観ていておおらかな気持ちになる。③吉良と大石が知り合いだった!?　こんな忠臣蔵もあっていい。

佐々木俊尚
フリージャーナリスト、作家

2024年2月公開の「みた」映画ベスト3
①罪と悪
②ダム・マネー　ウォール街を狙え！
③瞳をとじて
【選出コメント】
①は高良健吾と大東駿介の演技が素晴らしい。男の友情物語はこうでなきゃ。②はイケてない人たちが大逆転するという王道の痛快さ。投資の知識があるとさらに楽しめるかも。『ミツバチのささやき』のエリセ監督31年ぶりという驚きの新作③は、古きよき時代の名作のようにじっくりと堪能したい。

高崎俊夫
フリー編集者、映画評論家

2024年2月公開の「みた」映画ベスト3
①瞳をとじて
②落下の解剖学
③一月の声に歓びを刻め
【選出コメント】
①ビクトル・エリセの41年ぶりの新作はやはり別格だ。見ている側の彼の映画の記憶の年輪をそこに重ね合わせる時、映画が記憶の芸術であったことを否応なく喚起させる瞬間が生まれるのだ。映画そのものが老いてゆくのだ。そのことをまざまざと実感させてくれる稀有な体験が味わえた。老境のとば口にたつアナ・トレントの美しさにも感嘆した。

高松啓二
イラストレーター

2024年2月公開の「みた」映画ベスト3
①コヴェナント/約束の救出
②犯罪都市　NO WAY OUT
③カラーパープル
【選出コメント】
①戦場でかわした約束を政治を超えて果たす兵士に熱くなった。現在進行形の戦争に古風な戦争映画スタイルがうまくハマった佳作。②『ダーティ・ハリー』、『フレンチコネクション』の荒くれ刑事を思わせるマ・ドンソクのショットガンパンチにK.Oされた。③虐げられた黒人女性が自立する過程は、オリジナルより爽快感がある。歌声に魂が震える。

平辻哲也
映画ジャーナリスト

2024年2月公開の「みた」映画ベスト3
①ボーはおそれている
②梟―フクロウ―
③落下の解剖学
【選出コメント】
2月はアカデミー賞効果も狙った良作が粒ぞろい。アリ・アスター監督の『ボーはおそれている』はオスカー会員には愛されなかったが、必見。笑えて、怖い不思議なオデッセイ。『梟』は史実にも残る王暗殺事件の目撃者は盲目の鍼師だったというアイデアがすごい。『落下の解剖学』は緻密な脚本と演出が見事。2時間半という時間も気にならない。

渡辺祥子
映画評論家

2024年2月公開の「みた」映画ベスト3
①カラーパープル
②落下の解剖学
③ダム・マネー　ウォール街を狙え！
【選出コメント】
ミュージカルって、ときに普通のドラマより人間味が生まれるのがステキ、と思った『カラーパープル』。幸せな温かさがイイ感じ。フランスの裁判劇はサービス精神ゼロ。終始曖昧な表現で見る者を不安の迷宮に誘い込む『落下の解剖学』。お金持ちになるには賢い計算が必要？と思わせてくれる『ダム・マネー』。

渡辺麻紀
映画ライター

2024年2月公開の「みた」映画ベスト3
①コヴェナント/約束の救出
②犯罪都市　NO WAY OUT
③カラーパープル
【選出コメント】
スタイリッシュに走りがちなガイ・リッチーが意外な才能(!?)を発揮した実録風戦争映画が今月の1位。こういう映画が撮れるなら是非とももう1本お願いしたい。②はシリーズ3作目となってルーティンの面白さがプラス。③はミュージカルナンバーと役者たちが魅力的だった。