新しい“映画との出会い”がきっとある！
月イチ！“ぴあテン”ランキング
2024年3月公開の「みた」映画ベストテン！

エンタメの出会いと発見を提供する「ぴあアプリ＆Web」が新たに贈るランキング企画『月イチ！“ぴあテン”ランキング』！　「ぴあアプリ＆Web」でいつも映画のレビューを執筆していただいている「水先案内人」合計27名の皆様に、2024年3月公開の「みた」映画の中から特に良かった作品、好きだった作品、高く評価している作品を投票していただいたベストテンを発表します！

本企画は、毎月中旬頃に発表予定。また同時に、同じく「水先案内人」の皆様に聞いた「これからみたい」映画ベストテンも毎月発表していきます。ふたつのランキングで、映画ツウたちがみた上で高く評価した作品や期待している作品をチェックして、新しい“映画との出会い”をお楽しみください！

【ランキング投票方法】
水先案内人合計27名に2024年3月公開の「みた」映画の中からそれぞれがベスト3までを挙げていただき、1位：5点、2位：3点、3位：2点のポイントを付けたうえで集計したもの。対象は2024年3月1日～3月31日に日本で劇場公開された作品で、映画祭や特集上映での公開作、配信のみの作品、ブルーレイ・DVDのみでの発売作品は含みません。

ぴあ水先案内人27人が投票！
2024年3月公開の「みた」映画ベストテンはこちら！

1位

オッペンハイマー

公開日：2024/3/29(金)

72pt

2位

デューン砂の惑星PART2

公開日：2024/3/15(金)

32pt

3位

ゴールド・ボーイ

公開日：2024/3/8(金)

23pt

4位

青春ジャック止められるか、俺たちを2

公開日：2024/3/15(金)

17pt

5位

ゴッドランド／GODLAND

公開日：2024/3/30(金)

14pt

6位

ビニールハウス

公開日：2024/3/15(金)

10pt

同6位

かづゑ的

公開日：2024/3/2(土)

10pt

8位

DOGMANドッグマン

公開日：2024/3/8(金)

9pt

9位

ゴーストバスターズ／フローズン・サマー

公開日：2024/3/29(金)

8pt

10位

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前章

公開日：2024/3/22(金)

6pt

【ランキング総評】
2024年3月の「みた」映画ランキングは、アカデミー賞7部門受賞と話題の『オッペンハイマー』が2位にダブルスコア以上の差をつける72pt獲得で堂々の第1位に！　選者27名の2/3にあたる18名が3位までに投票しており、そのうち11名が1位指名！　同作は「3月のこれからみたいランキング」でもダントツ1位となっており、鑑賞前の期待と鑑賞後の評価が高い次元でかみ合った作品と言えそうです。今年、果たしてこの評価を超える作品は現れるのか!?

そして2位に入った『デューン砂の惑星PART2』も、「3月のこれからみたいランキング」で2位にランクインしていた作品。「『スター・ウォーズ』以来のSFサーガ誕生を素直に喜びたい」（笠井信輔）、「全方位的に大満足。あっという間の2時間46分！」（細谷美香）などの声が寄せられました。

3位に入った『ゴールド・ボーイ』は、殺人現場を偶然目撃した少年たちと殺人犯（岡田将生）との心理戦を描いた金子修介監督作。「全編にわたってなにかがズレたまま間違ったことが行われている感覚が続き、それゆえに惹き込まれる素晴らしいスリラー。年間ベスト級」（村山章）などの高評価を複数集めて見事表彰台に！

ぴあ水先案内人から寄せられた選出コメント

恩田泰子
映画記者（讀賣新聞）

2024年3月公開の「みた」映画ベスト3
①水平線
②美と殺戮のすべて
③オッペンハイマー
【選出コメント】
小林且弥監督の『水平線』は、仰々しくないのに濃密。福島で生きる親子のドラマに日本の今が凝縮されている。主演のピエール瀧の存在感を生かした演出も見事。②は、人と社会にはなぜ芸術が必要か、再発見させる重要な作品。③は贅を尽くした映像と音で人間のとんでもなさとちっぽけさを体感させる大野心作だった。

笠井信輔
フリーアナウンサー

2024年3月公開の「みた」映画ベスト3
①オッペンハイマー
②デューン砂の惑星PART2
③流転の地球-太陽系脱出計画-
【選出コメント】
①やはり傑作。チャレンジングな内容であることもそうなのだが、それ以上に、あの編集と音楽の圧倒的な力強さに観客はひれ伏してしまう。②『スター・ウォーズ』以来のSFサーガ誕生を素直に喜びたい。③とにかくお金をかけて、中国はエンタテインメントでこれだけ面白く作れるんだという心意気を楽しむ映画。

春日太一
映画史・時代劇研究家

2024年3月公開の「みた」映画ベスト3
①ゴーストバスターズ／フローズン・サマー
②オッペンハイマー
③ビニールハウス
【選出コメント】
『オッペンハイマー』は映画史に残る一本だ。が、「2024年3月の自分自身の想い」という一点において、『ゴーストバスターズ～』を上に置きたい。何年も先まで語られる作品ではないだろう。だが、今年公開ハリウッド製の娯楽映画では現時点で唯一、ストレスなくスカッと楽しませてくれたのが本作。それこそ、何よりも尊い。

立川直樹
プロデューサー、ディレクター

2024年3月公開の「みた」映画ベスト3
①DOGMANドッグマン
②MONTEREY POP モンタレー・ポップ
③ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター
【選出コメント】
「ぴあテンランキング企画」で選ばれている作品を見ると、どうも僕の嗜好は他の方々と随分異なっている気がする。基本的に素人臭い作りのものは好きではないし、貧乏臭い世界観のものもちょっと苦手だ。そしていいものなら、昔のものだからという概念は全くない。その結果がこの選択だ。

中谷祐介
編集者(ぴあ)

2024年3月公開の「みた」映画ベスト3
①ゴッドランド／GODLAND
②π〈パイ〉デジタルリマスター
③映画ドラえもんのび太の地球交響楽
【選出コメント】
①は映画でしか表現できない瞬間に満ちていました。シリアスな話なのに、どこか間抜けで冷酷。②は人気作の再公開ですが、こういう「やりたいことだけやる！黙ってついてこい！」みたいな映画がもっと増えれば良いなと改めて思いました。③は“映画内で音楽に音楽以上の役割を担わせる”難題をギリギリの線でクリアした快作。

夏目深雪
著述・編集業

2024年3月公開の「みた」映画ベスト3
①ビニールハウス
②12日の殺人
③オッペンハイマー
【選出コメント】
①も②も女性が主人公で（①は監督も女性）、にもかかわらず犯罪も結末も過激になっているところが素晴らしい。私はノーランファンなのだが、③よりはもっとキ（レ）テルノーラン映画の方が好きだ（『インターステラー』『TENNET テネット』）。でもテーマといい俳優の豪華さといい、ノーランしか撮れない画期的な大作ではあろう。

細谷美香
映画ライター

2024年3月公開の「みた」映画ベスト3
①デューン砂の惑星PART2
②コール・ジェーンー女性たちの秘密の電話ー
③美と殺戮のすべて
【選出コメント】
①は砂漠の映像表現、キャラクターをより際立たせるアクション、ポールの成長、サンドワームを乗りこなすシーンの臨場感と全方位的に大満足。あっという間の2時間46分！②自分の身体を自分で守るために立ち上がった女たち、③は権力に声をあげた写真家の活動を描き、生きることと政治の結びつきを改めて実感させられる。

水上賢治
映画ライター

2024年3月公開の「みた」映画ベスト3
①かづゑ的
②PLAY！〜勝つとか負けるとかは、どーでもよくて〜
③ナチ刑法175条
【選出コメント】
①はこれほどその人生に圧倒され、その人間性に魅了される人に出会ったのは久々。ハンセン病回復者、宮崎かづゑさんに出会ってほしい1本。②はeスポーツにきっちりティーンの青春を見い出した古厩智之監督の手腕が見事。彼が青春映画の名手であることを再確認。③は何年経っても消えない暴力の被害者の生の声に言葉を失った。

村山章
映画ライター

2024年3月公開の「みた」映画ベスト3
①ゴールド・ボーイ
②デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前章
③オッペンハイマー
【選出コメント】
①全編にわたってなにかがズレたまま間違ったことが行われている感覚が続き、それゆえに惹き込まれる素晴らしいスリラー。年間ベスト級なのにあまり認知されてなくてもったいない。②は原作未読で鑑賞。現実とポップカルチャーが折り重なった世界観に夢中に。後章が早く観たい！③は映像以上に音響のいい劇場でぜひ。