新しい“映画との出会い”がきっとある！
月イチ！“ぴあテン”ランキング
2025年2月公開の「これからみたい」映画ベストテン！

エンタメの出会いと発見を提供する「ぴあアプリ＆Web」のランキング企画『月イチ！“ぴあテン”ランキング』！　「ぴあアプリ＆Web」でいつも映画のレビューを執筆していただいている「水先案内人」合計26名の皆様に、2025年2月に公開予定の映画の中から「これからみたい」作品、期待している作品、気になっている作品を投票していただいたベストテンを発表します！

本企画は、毎月末～翌月初旬頃に発表予定。同じく「水先案内人」の皆様に聞いた「みた」映画ベストテンも毎月発表していきます。ふたつのランキングで、映画ツウたちがみた上で高く評価した作品や期待している作品をチェックして、新しい“映画との出会い”をお楽しみください！

【ランキング投票方法】
水先案内人合計26名に2025年2月公開予定の映画の中から「みたい」作品をそれぞれベスト3まで挙げていただき、1位：5点、2位：3点、3位：2点のポイントを付けたうえで集計したもの。対象は2025年2月1日～2月28日に日本で劇場公開される予定の作品（※2025年1月中旬時点調べ）で、映画祭や特集上映での公開作、配信のみの作品、ライブビューイング、ブルーレイ・DVDのみでの発売作品は含みません。

→水先案内人が投票する、2024年12月公開の「みた」映画ベストテン　へ

→水先案内人が投票する、2025年1月公開の「これからみたい」映画ベストテン　へ

ぴあ水先案内人26人が投票！
2025年2月公開の「これからみたい」映画ベストテンはこちら！

1位

名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN

公開日：2025/2/28(金)

43pt

2位

セプテンバー５

公開日：2025/2/14(金)

32pt

3位

聖なるイチジクの種

公開日：2025/2/14(金)

27pt

4位

ゆきてかへらぬ

公開日：2025/2/21(金)

17pt

5位

ハイパーボリア人

公開日：2025/2/8(土)

15pt

同5位

ANORA アノーラ

公開日：2025/2/28(金)

15pt

7位

ファーストキス　1ST KISS

公開日：2025/2/7(金)

14pt

8位

ショウタイムセブン

公開日：2025/2/7(金)

11pt

同8位

ドライブ・イン・マンハッタン

公開日：2025/2/14(金)

11pt

10位

キャプテン・アメリカ：ブレイブ・ニュー・ワールド

公開日：2025/2/14(金)

10pt

【ランキング総評】
2025年2月公開の「これからみたい」映画ランキングは、1月とは打って変わり、外国映画がベスト3を占める結果となりました！

1位に輝いたのは、43ptというハイスコアを獲得した『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』。26人中11人が投票、うち6人が1位に挙げた期待度の高さです。若き日のボブ・ディランをティモシー・シャラメが歌唱まで吹き替えなしで演じ、米アカデミー賞最有力候補と噂される作品。「シャラメの才能のすべてを浴びることができそう」（細谷美香）、「大評判で期待度全開」(立川直樹）など、コメントにも熱を感じます。

2位は『セプテンバー５』。1972年のミュンヘン五輪開催中に起きたテロ事件を、生中継したテレビクルーの視点で描くサスペンス。全世界が固唾を飲んで見守った歴史的な実話をどう映画化したのか。「予告編を観た段階で“名作の空気”が濃厚に伝わってきた」（春日太一）という声が寄せられ、興味はつきません。

そして3位に入ったのは、モハマド・ラスロフ監督の『聖なるイチジクの種』。映画製作で罪に問われ、母国イランを脱し、命懸けで弾圧と戦う監督が、反政府デモの激化するイランを背景に、ある家族に起きた事件をスリリングに映し出した作品。カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞しています。

日本映画では、16年ぶりにメガフォンをとった根岸吉太郎監督の『ゆきてかへらぬ』が4位にくい込みました。詩人中原中也を巡る大正期の青春群像劇。広瀬すず主演ということもあり、こちらにも注目が集まっています。

ぴあ水先案内人から寄せられた選出コメント

恩田泰子
映画記者（讀賣新聞）

2025年2月公開の「これからみたい」映画ベスト3
①ハイパーボリア人
②石門
③ANORA アノーラ
【選出コメント】
①は『オオカミの家』の異才ふたりの新作。実写あり、影絵あり、アニメあり、何でもありらしい！　②は、女性を通して社会を映してきた夫婦監督による台北金馬奨最優秀作品賞受賞作。③は、オリガルヒの御曹司に愛されたストリップダンサーのアンチ・シンデレラストーリー。ショーン・ベイカー監督作でカンヌで最高賞も受賞しているのだから見ない理由がない。

笠井信輔
フリーアナウンサー

2025年2月公開の「これからみたい」映画ベスト3
①ショウタイムセブン
②セプテンバー５
③名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN
【選出コメント】
①原作映画『テロ，ライブ』の大ファン。当時自分の連載で日本でのリメイクを熱望した。どこまで忠実に再現するのか？　②『ショウタイムセブン』以上に激しい、テロに遭遇するテレビ局員の実話。こちらが1位か悩む。③ボブ・ディランは、私より上の世代だが、予告編がめちゃくちゃ面白いので。

春日太一
映画史・時代劇研究家

2025年2月公開の「これからみたい」映画ベスト3
①セプテンバー５
②シンパシー・フォー・ザ・デビル
③プロジェクト・サイレンス
【選出コメント】
①は予告編を観た段階で「名作の空気」が濃厚に伝わってきた。②は近年「怪優」の域に達したニコラス・ケイジの主演作品という段階で期待してしまう。③は韓国のパニック映画にハズレ無しなので、今回も楽しめそう。

立川直樹
プロデューサー、ディレクター

2025年2月公開の「これからみたい」映画ベスト3
①名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN
②ANORA アノーラ
③ヒプノシス　レコードジャケットの美学
【選出コメント】
①吹き替えなしでティモシー・シャラメが若き日のボブ・ディランの5年間を演じていて大評判で期待度全開。②はニューヨークのストリップダンサーとロシアの御曹司が結婚したことで起きる大騒動という話にぐっとひかれる。③は好きなドキュメンタリーもので、歴史に残るレコードジャケットを数多く作ったヒプノシス（当時は“謎の集団”）とくれば見逃せない。

中谷祐介
編集者(ぴあ)

2025年2月公開の「これからみたい」映画ベスト3
①ハイパーボリア人
②名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN
③ヒプノシス　レコードジャケットの美学
【選出コメント】
①は『オオカミの家』監督コンビの新作。楽しみ＆不安が早くも最高潮。②は疲れた中年を描かせたらピカイチのマンゴールドが若いディラン？　そしてサブスク時代に大画面でヒプノシスのジャケを観られる③が楽しみ。Metro Boominの『HEROES & VILLAINS』ってヒプノシスだと思いません？

夏目深雪
著述・編集業

2025年2月公開の「これからみたい」映画ベスト3
①聖なるイチジクの種
②ブルータリスト
③セプテンバー５
【選出コメント】
①イランで反政府デモを背景に、『悪は存在せず』のモハマド・ラスロフ監督が一丁の銃をめぐるある家族を描いた。②ホロコーストを生き延び、米で活躍したユダヤ人建築家をめぐる215分。体調万全で観たい。③ミュンヘン五輪で起きた人身テロは何度か映画化されているが、突如中継を担うことになったTVクルーを描くそう。

細谷美香
映画ライター

2025年2月公開の「これからみたい」映画ベスト3
①名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN
②ブルータリスト
③あの歌を憶えている
【選出コメント】
ティモシー・シャラメの才能のすべてを浴びることができそうな①。『戦場のピアニスト』から時を経たエイドリアン・ブロディの演技を見ないわけにはいかない②。2作品ともにアカデミー賞に向けてさらに注目を集めそう。③はミシェル・フランコ監督の作品だけに後味は複雑なのでは……？と尻込みしつつ、ピーター・サースガードの名演に期待。

水上賢治
映画ライター

2025年2月公開の「これからみたい」映画ベスト3
①名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN
②ヒプノシス　レコードジャケットの美学
③デュオ 1/2のピアニスト
【選出コメント】
今月は音楽に関する作品を選出。①はすでに大きな話題を集めているボブ・ディランの若き日を描く。ティモシー・シャラメが歌唱シーンまで吹き替えなしで演じているというが出来栄えは果たして？　②はレコードジャケットを芸術に高めたアート集団をクローズアップ。レコード世代としては気になる。③は実在の双子ピアニストの物語に期待。