【前編】『TOUCH THE GOOPAN CHECKERS』開催記念!ハンブレッダーズ×w.o.d.×Kanna座談会
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ハンブレッダーズ×w.o.d.×Kanna
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すべて見るText:小川智宏 Photo:タマイシンゴ
5月29日(木)に恵比寿LIQUIDROOMにて、ハンブレッダーズ、w.o.d.、そして名古屋から現れた新星・Kannaの3組による対バンイベント『TOUCH THE GOOPAN CHECKERS』の開催が発表された。同じマネジメント事務所 “株式会社次世代” に所属しながら、それぞれのスタイルで音楽を鳴らし続けている彼らを結びつける、リスペクトと共感が感じられる熱い夜になること間違いなしのイベントを前に、3組の出演アーティストによる座談会をお届けする。一見、ジャンル的にも活動のスタイル的にもバラバラに見えるこの3組を繋ぐものとは何なのか? そしてまさに異種格闘技戦のようなこの対バンは一体どんなことになるのか? 【前編】ではイベント開催に至った経緯、そしてお互いのつながりと印象について語ってもらった。
――このイベントの言い出しっぺはハンブレッダーズだと聞いたんですが。
でらし(ハンブレッダーズ) ハンブレッダーズというか、僕です! そもそもは3組共通のチーフマネージャーが節目の年で、その生誕祭をしたいなと。それでまず、昨年の夏にハンブレッダーズもw.o.d.も出演した『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2024』でw.o.d.に話を持ちかけたのがきっかけです。
サイトウタクヤ(w.o.d.) そうそう。それで「ぜひやろう」って。
――それまでバンド同士の付き合いはあったんですか?
ムツムロ アキラ(ハンブレッダーズ) それこそ、次世代に所属したときにw.o.d.を知ったっていう感じだったよね。名前は知っていたしライブ映像も観たことあったけど、そこで初めて歳が近いってことも知って。
サイトウ イベントで会ったり、事務所で会ったりして、喋ったりはしてて。
ムツムロ そうそう。それでずっと「対バンしたい」って言ってたんですけど、やっぱり同じチームでやってるから、対バンしたら忙しくなるじゃないですか。それもあってたぶんできてなかった。
Ken Mackay(w.o.d.) そういうことなの?(笑)
中島元良(w.o.d.) 1回、ハンブレが出られなくなっちゃったイベントがあって、前々日くらいに代打を頼まれたことがあったよね。
サイトウ あったね。
Ken 『Talking Rock! FES.2022』だ。
でらし それ......。
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ムツムロ その節はありがとうございました。
元良 ハンブレの代わりにはもちろんならなかったけど。w.o.d.のお客さんとは全然違った印象だったよね。
Ken 俺らが普段出てたライブとはお客さんの層が全然違うから。お客さんにも新鮮だったと思うし、俺らも楽しかったし、面白かったですね。
――お互い、どういう印象をもっていました?
サイトウ たぶん言ったことあるけど、昔京都でサーキットイベントかなんかに行ってハンブレッダーズがライブをやっているのを観たことがあって。
ムツムロ ほんまに? 初めて聞いたわ。
サイトウ そのときはまったく聴いたこともなかったしライブもちらっと観ただけだったんですけど、グッドミュージック、グッドメロディって印象で、そのときからスタイルはまったく変わってないなって思いますね。
Ken 確かに変わってないな。メロディがずっといい。うきくんが入ってさらによくなった気がする。
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ukicaster(ハンブレッダーズ) うれしい。
ムツムロ w.o.d.はとにかくカッコいい。
ukicaster こうなりたかったよな(笑)。
ムツムロ そうなんだよ。僕ら(ムツムロとサイトウ)は同世代なんですけど、ロックバンドってどんなものなんだろうって考えたときに辿っていく洋楽のバンドのエッセンスがちゃんと出ていて、しかも日本語でやってる意味もあってっていう。すごい、こうなりたかった(笑)。
ukicaster 俺らはカッコつけようと思っても、なんか「カッコつけてます」って感じになっちゃうから。でもw.o.d.は生身でカッコいい。本物なんだなって。
ムツムロ そういうコンプレックスみたいなのがあるぶん、最初話したときは怖い人かなって思った。言われがちじゃない?
サイトウ めっちゃ言われる(笑)。
ムツムロ でも本人は「BUMP OF CHICKENめっちゃ好きっす」みたいな感じで。優しいやつなんやって思いました。
――確かにw.o.d.はなんとなく強面の、硬派な感じがありますよね。
ムツムロ そうそう、尖ってるのかなとか思われやすいよね。
サイトウ そうだね。
木島(ハンブレッダーズ) 僕は結構ライブを観に行ったりしていて。曲聴いてもカッコいいし、ライブはだいたいどのバンドも曲が終わったらジャーンってかき回しっていうのをするんですけど、w.o.d.はまったくしないんですよ。音源通りにストンって終わるんです。それが潔くてカッコいいなと思います。全曲そうなんですよ。「この曲を聴いてください、これで戦います」みたいなのがカッコいいなって。ワンマンライブのZeppでも1時間半から2時間、それで貫くっていう。
ムツムロ 俺らはあればあるほどいいもんな。
木島 そう、あの手この手を使ってつないでる(笑)。
でらし 間を埋めるためにね。
ukicaster 一時期ほぼ全曲あったもんな(笑)。
木島 でもMCとかはちゃんとキャラクターが出ていて。すごいいいなって思います。
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――w.o.d.の好きな曲を挙げてもらうと?
でらし 「オレンジ」!
ムツムロ それ言おうとした(笑)。「Take It Easy」は新しい一面というか、MVとかも楽しげな感じが出ていていいなあって思います。さっき言ってた硬派な印象じゃなくて、また違う味が出てる。
w.o.d.「Take It Easy」MUSIC VIDEO
サイトウ うれしい。
ukicaster 僕は「STARS」ですね。ちゃんと間口を広く見せようとしている感じが出ていていいなって。話はちょっとズレるんですけど、次世代って変なバンドを獲りがちだと思うんですよ。
サイトウ はははは!
――変っていうか......。
ukicaster 変っていうか、ちゃんと尖ったバンドを獲るじゃないですか。言い方はあれですけど、「これどうやって売るの?」みたいな。w.o.d.も最初の印象としてはそういう感じだったんですよ、これをオーバーグラウンドでどうやって売っていくんだっていう。それをここまでやったこの事務所はすげえなっていうのはすごく思っていて。だからちゃんとオーバーグラウンドの人に届けようっていう曲が出てきたのは、すごい気持ちよかった。そういうカッコよさ。硬派に見えるけどそこをちゃんと広く構えようっていうのはカッコいい。ちょっと裏笑い的な感じですけど。
木島 僕は、結構前の曲ですけど「THE CHAIR」。ドラム的な見方なんですけど、ずっとシンプルに16ビートを刻んでいて、途中でキメもあったりして。w.o.d.の曲ってすごくコピーしやすいんですよ。バンドを始めたばかりでも取っつきやすいというか、「やれそうだな」って気にさせてくれる。その中でも「THE CHAIR」はカッコいいなと思ったんですよ。ベースも結構歪んだりしていて、バンドの一体感があって好きでしたね。
――逆にw.o.d.のみなさんはハンブレッダーズのどの曲が好きですか?
元良 「銀河高速」。めちゃくちゃいい曲。
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ムツムロ うれしいー!(笑)
元良 どのバンドを聴いても、全部のパートをフラットに聴いちゃうんですけど、「銀河高速」はどうしても歌詞と歌に耳が行くんです。グッドメロディ、グッドコード進行、そしてめっちゃいい歌詞。
ムツムロ コード進行まで(笑)。ありがとうございます。
サイトウ 俺は「弱者の為の騒音を」かな。趣味みたいなところで言うと、アレンジは装飾的じゃないほうが好きなんですよ。わりとワンアイデアで突っ切るみたいな。それが面白ければ面白いほどいいし、こだわりを感じてカッコいいなって思うんです。みたいなところで言うと、この曲はめちゃくちゃストレートやけど、ハンブレらしいコードの展開とか構成とかアレンジの展開みたいなのがあって、そのバランス感みたいなのがすげえ絶妙。で、歌詞はめちゃくちゃストレートで。さっきの話じゃないですけど、BUMP OF CHICKENが好きなんで、まっすぐ刺さる。
――なるほど。Kenさんは?
Ken 「DANCING IN THE ROOM」。あれが出たときに「おっ」って思ったんです。「ハンブレってこういうのもやるんだ」って挑戦も感じたし、洋楽も感じた。結構前のやつだけど、Last Dinosaursっていうオーストラリアのバンドとちょっと似ている感じだったんですよ。
ハンブレッダーズ「DANCING IN THE ROOM」MUSIC VIDEO
ムツムロ Last Dinosaursって、リフがめっちゃ凝ってるバンドだよね。
Ken そうそう、ベースもそんな感じで、洋楽チックでかっけえなって思った。
――そしてKannaのおふたり、お待たせしました(笑)。
Koshi(Kanna) いえいえ、すごくいい話で、めちゃくちゃ勉強させてもらったので(笑)。
ムツムロ 僕らだけちょっと気持ちいい時間だった。
サイトウ 褒め合うっていう(笑)。
――さっきうきくんが言ったように、変なバンドとばかり契約したがる次世代において(笑)、Kannaみたいな存在がいるというのもすごくこの事務所らしいなって思うんですけど。Kannaからすると事務所に入ったらこういう先輩バンドがいたわけじゃないですか。どんな印象でしたか?
Koshi もともと2バンドとも知っていて。僕らはオーディションを通して事務所と関わりを持ち始めたんですけど、そのときもこの2バンドをはじめ、めちゃくちゃカッコいいバンドが揃ってるっていうのがオーディションを受けたきっかけだったんです。僕ら世代だと、大学とかの軽音楽部で2バンドともすごくコピーをされているんですよ。バンド好きな子がカバーする二大巨頭みたいな感じだったので、そういう方たちと今回対バンできるっていうので、めちゃくちゃテンションが上がっています。
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Nouchi(Kanna) 本当にオーディションを受けるときも「ハンブレとw.o.d.の事務所なら受けてみるか」という感じだったんです。
Koshi 本当に画面の向こう側の存在だった感じですね。
ムツムロ それは僕らも同じなんです。僕らは発足したわりと最初の方からのメンバーなんですけど、「次世代ロック研究開発室」(株式会社次世代の前身)ってなんか胡散臭いなと思っていたんです(笑)。でも実はCreepy NutsとCHAIをやってるって聞いて、「あ、ちゃんとした事務所なんだ」みたいな。その感じに近いのかもしれない。
Koshi 本当に、ずっと勝手に聴いてた側の人間なんです。
Nouchi 僕らもうきくんと同じ印象をこの事務所に持っていたので、「じゃあ僕らもいけるか」っていうノリで。だから結構知っていました。
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ukicaster Kannaは曲を聴いたときに、たぶん世の中にKannaの曲(「Make My Day」「いいんじゃNight!」)を必要としてくれている人って絶対いっぱいいるなって思ったんです。Kannaなりの尖り方はあるけど、ポップというかいろいろな人の手に届きやすいタイプの音楽だから、すごい伸びしろがあるなって感じた。でもただ間口を広く構えるだけじゃなくて、パッとサウンドを聴いたときに「絶対こいつ(Koshi)ギター好きだな」っていうのが分かるし、(Nouchiは)ラップをしたいだけの人でもないし歌いたいだけの人でもなく、両方持っているなというのがちゃんと見えた。あと、俺らの世代が聴いていたJ-POPって、HOME MADE 家族とか、ちょっとヒップホップ系の感じだったから、馴染みのある感じを初手から感じてたんですよね。
Kanna「Make My Day」MUSIC VIDEO
Koshi ありがとうございます。
Nouchi この話で白米食えます(笑)。
ukicaster ふりかけとかは?
Koshi いらないです(笑)。
ムツムロ ちゃんとキャラクターが立ってるのがいいですよね。トラックでいろいろな音を使えるけど、ふたりのキャラクターがちゃんと立って聞こえてくるっていうのが、すごい味が出てる。すごい武器を持ってるバンド......バンドって言っていいの?
Koshi 「2人組」で(笑)。いや、僕らはなんでもいいんですけど、たまに言われるのが......。
Nouchi 「Kannaはバンドじゃなくてユニットじゃない......?」って。
Koshi だから「バンドマン」って名乗れないんです。ユニットマン(笑)。
サイトウ ユニットマン、ね(笑)。
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》》》【後編】に続く
<イベント情報>
『TOUCH THE GOOPAN CHECKERS』
5月29日(木) 東京・恵比寿LIQUIDROOM
開場 17:30 / 開演 18:30
出演:ハンブレッダーズ / w.o.d. / Kanna
【チケット情報】
チケット(スタンディング):4,800円(税込)
Kanna割チケット(スタンディング):3,300円(税込)
※入場時ドリンク代別途必要
※未就学児童入場不可(小学生以上チケット必要)
※Kanna割チケットはKannaの出演イベント限定販売の手売りチケットになります。Kannaの物販にて枚数限定販売。
オフィシャルサイト先行:2月25日(火)18:00〜3月9日(日) 23:59
https://w.pia.jp/t/touchthegoopancheckers/
ハンブレッダーズ 公式サイト:
https://humbreaders.com/
w.o.d. 公式サイト:
https://www.wodband.com/
Kanna 公式サイト:
https://lit.link/kannanagoya
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