プリティ役Wキャスト:唯月ふうか&遥海インタビュー
夢を追い、自分らしさを貫くジェイミーの物語を支える“親友”プリティ。今回そのWキャストを務めるのが再演からの参加となる唯月ふうかと遥海だ。プレイベント(製作発表)ではともに「青春します!」と宣言し、すでに息の合ったところをみせていたふたりが語る、多様性と友情が輝く本作の魅力とは?
同い年だからこそ得られる刺激
──おふたりとも再演からの参加となりますが、初演の感想、さらにプリティ役として出演が決まった時の心境から教えてください。
唯月 こんなにキラキラしていて、心が満たされる作品は久しぶりでした。だからすごく強く印象に残っていたんですが、まさか自分が出られるなんて1ミリも思ってもいなくて! もちろん再演からの参加はプレッシャーです(苦笑)。でも皆さんが思い描いているプリティ像から外れ過ぎず、自分の色を足していけたらと思っています。
遥海 日本でもこういった多様性をテーマにした作品が受け入れられるようになってきたことに、時代の変化を感じました。私自身ミックスとして、本当の自分を見つけるジェイミーのジャーニーには、共感出来る部分がたくさんあって。プリティという役もすごくいい挑戦であり、今までにない自分を見せられるのではないかと期待しています。
──先ほど写真撮影中からすでにおふたりの仲の良さが感じられましたが、共演自体は今回が初めてですよね?
唯月 はい。ただ実はこの業界では貴重な同い年、その上ダブルということで本当に嬉しいです。やっぱり同い年だからこそ得られる刺激がありますし、遥海ちゃんから学ぶべきことがたくさんあると思っていて。ぜひお互い支え合っていきたいです。
遥海 本当に! とはいえもともと私はミュージカルをやるなんて思ってもいなくて。それが『RENT』(20年)に始まり、気づいたらずっといる感じに……(笑)。
唯月 必要な存在なんです!
遥海 実は今回もお受けするかどうか、すごく迷ったんです。でもダブルがふうちゃんだと聞いた時、それなら大丈夫じゃないかと。近くで刺激をもらいつつ、共に頑張っていけたらと思います。
──演じられるプリティについては、現状どんな人物として捉えていますか?
唯月 私はプリティって、この作品とお客様の架け橋になってくれるような存在なのかなと思っています。そのためにも広い視野を持つことが大事ではないかなと。またポロッと出た言葉が実はいろいろな人の背中を押している、そういう子でもあると思うので、自分もそんなプリティに近づけたらと思っています。
遥海 自分の色を持っている子だなと思います。それは信仰だったり、芯の強さだったり、他の人とは違うけれどそれでいいんだって思考だったり。私はそこにすごく憧れていて。きっと遥海として至らないところを、今回プリティからたくさん学ぶことになると思います。
──そんなプリティにとってのジェイミー、またジェイミーにとってのプリティとはどういう存在だと思いますか?
唯月 なにも言わなくても通じ合うというか、そういう安心感のある関係なんだと思います。“強い”絆というよりかは“太い”絆。姉弟のような時もあれば、同志のような、親子のような時もある。そしてそれはジェイミー役のふたり(三浦宏規・髙橋颯)によっても変わっていくのかなと思います。
遥海 私は“ソウルシスター”みたいな存在なのかなと思っています。血とかそういうものではなく、お互いがちゃんと選んだ、大事にしたい相手。綺麗ごとだけでは包まないような関係性というか。だからこそ演じる側も、お互いを知っていく必要があると思っています。
唯月 わかる! この作品、お互いを知ることがすごく大事だよね。
遥海 そう。お互いオープンに、さらけ出していく。そこがこの作品に臨む上での一番の仕事だと思います。
この時間だけは、お客様も一緒に青春しましょう!
──さらに作品を彩るのが素晴らしい楽曲の数々です。
遥海 本当に!
唯月 ただプリティの曲に関しては、楽器数が少ないイメージがあって。
遥海 確かに音数が少ないよね。
唯月 だからこそ嘘がつけないというか、技術に頼らず、その場で心が動いたものを届けないといけない。逆に私は毎回決まったことをやろうとするタイプなので、今回はそんな自分の殻を破れたらいいなと思っています。
遥海 最高!
唯月 シンプルな楽曲だからこそ、失敗を恐れず、不格好でもいいからトライしてみる。今回自分が突破したいのはそこですね。
遥海 私は曲の内面化というか、その曲を自分の中に落とし込んでいくこと。そして言葉で勝負すること。言葉と音を合わせた時に違和感をなくすのが我々の仕事だと思っているので、その上で言葉の強さ、大切さ、日本語の美しさを伝えていけたらと思っています。
唯月 私は遥海ちゃんから、こういう部分を学びたいと思っているんです!
遥海 (照)。ぜひ日本語に拒否反応のあるミュージカルファンの方にも、日本語でやるミュージカルの楽しさを感じてもらいたいです。
──では最後に読者へメッセージをお願いします!
唯月 この作品を通して、自分は自分で、ありのままでいいんだってことを感じてもらえたら嬉しいです。
遥海 きっと誰にでも若い時に抱いていた、今は蓋をしてしまっている夢ってあると思うんです。その蓋をぜひこの時間だけは開けて、私たちと一緒に青春してもらいたいですね。
唯月 それいい! ぜひお客様も一緒に青春しましょう!
取材・文:野上瑠美子 撮影:源賀津己
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