歌舞伎『刀剣乱舞 東鑑雪魔縁』が新橋演舞場で“出陣” 尾上松也「歌舞伎の幅広さを見ていただきたい」
ステージ
ニュース
歌舞伎『刀剣乱舞 東鑑雪魔縁』囲み取材より、左から)河合雪之丞、尾上左近、中村鷹之資、中村獅童、尾上松也、中村歌昇、中村莟玉、上村吉太朗
続きを読むフォトギャラリー(16件)
すべて見る歌舞伎『刀剣乱舞 東鑑雪魔縁』が7月5日(土)から、東京・新橋演舞場で開幕。出演する尾上松也、中村歌昇、中村鷹之資、中村莟玉、尾上左近、上村吉太朗、河合雪之丞、中村獅童が取材に応じ、意気込みを語った。同作は27日(日)まで新橋演舞場、8月5日(火)~11日(月・祝)福岡・博多座、8月15日(金)~26日(火)京都・南座で上演される。
2023年以来2年ぶりの上演となる本公演は、初演の熱量はそのままに新たに書き下ろされたオリジナルストーリー。今作から加わった三振りを含め八振りの刀剣男士が登場。今作の外題である「東鑑雪魔縁(あずまかがみゆきのみだれ)」は、鎌倉時代の歴史書である「東鑑(吾妻鏡)」をふまえたもので、鎌倉幕府三代将軍・源実朝の時代を描く。
松也は三日月宗近/羅刹微塵の二役を勤め「今回の宗近は、皆のサポート役。そして、羅刹微塵は我々が生み出したオリジナルの悪役なので、お客様にどう受け止めていただけるか楽しみ」と『刀剣乱舞』初の二役に意気込みを語る。
今回は演出も担っており、『刀剣乱舞』の世界観はそのままに、“とうかぶ”だからこそ楽しめる立廻りや早替りといった歌舞伎ならではの演出もたっぷり盛り込んだ。「よりエンターテイメント性を強く、歌舞伎本丸でしかできないことをしたい。演出しているときは、自分が演じることを想定しておらず、いざ舞台に立つと忙しい(笑)」と兼任ならではの苦労に苦笑いだ。
また、大喜利所作事の『舞競花刀剣男士(まいきそうはなのつわもの)』では、本作に登場する八振りの刀剣男士が揃い華やかに舞い踊り、歌舞伎らしい美しさを披露。「歌舞伎の幅広さを見ていただきたい」とアピールした。
前回、声の出演のみだった獅童は「前回、うちの子どもが見て、すっかり松也ファンになって(笑)。負けていられないし、パパもカッコいいところを見せたい。若い方たちにまざって、楽しく勤めさせていただいております」と、鬼丸国綱役に闘志を燃やす。松也の演出ぶりには「舞台をもっと良いものにしようという気持ちが、全体に広がる。本当によく頑張ったと思います」と労をねぎらい、「歌舞伎の面白さが凝縮されている。新作を入り口に楽しんでもらえれば」と呼びかけた。
陸奥守吉行/源実朝を演じる歌昇は、「土佐弁をいかに歌舞伎調のセリフに馴染ませるかを意識している」といい、「今回、キーパーソンでもあり、自分に向いているキャラクター。太陽のような明るい存在でいられれば」と抱負をコメント。
鷹之資は同田貫正国/公暁役を勤めており、「公暁はあまり史実が残っていない中で、歌舞伎のいろいろな表現の演出、演じ方でお見せできれば。同田貫正国は今回、後方支援にまわるので、そちらも全力で」。舞踊については「熊本の民謡もある、新たな挑戦をしている」と話していた。
髭切役の莟玉は「ここの兄弟(髭切と膝丸)は、前回は私が二役でしたので、今回は兄弟の会話をちゃんとお見せできてうれしい。名前を忘れちゃうお決まりのくだりもありますし」とニッコリ。見どころは「お団子」だと語り、「舞台で消え物(食べ物)を食べるのが初めてなので、楽しみですね」と期待を寄せた。
一方、膝丸役の吉太朗は「前回よりもよりキーパーソンですし、階段落ちもありますので、自分の存在を出せるよう頑張りたい」と飛躍を誓った。
左近は加州清光/実朝御台倩子姫を勤め「現代寄りのキャラクターなので、ネイルやヒール、ピアスなど譲れない部分があるので、良きように(歌舞伎と)融合している部分を注目してほしい」とゲーム原作ならではのこだわり。最年長の雪之丞は、小烏丸/北條政子を演じ「皆さんについていけるように頑張りたい。政子は早替えもあり忙しいですが、こういう役はなかなかないので、(小烏丸と北條政子の)違いも楽しんでもらえれば」と話していた。
取材・文・撮影:内田凉
★尾上松也さんのインタビューはこちら
★中村莟玉さん&上村吉太朗さんのインタビューはこちら
<公演情報>
歌舞伎「刀剣乱舞」
『東鑑雪魔縁(あずまかがみゆきのみだれ)』
大喜利所作事『舞競花刀剣男士(まいきそうはなのつわもの)』
原案:『刀剣乱舞ONLINE』より(DMM GAMES/NITRO PLUS)
脚本:松岡亮 演出:尾上菊之丞 尾上松也
出演:尾上松也、中村歌昇、中村鷹之資、中村莟玉、尾上左近、澤村精四郎、上村吉太朗、市川蔦之助、河合雪之丞、大谷桂三、中村獅童 ほか
【東京公演】
2025年7月5日(土)~7月27日(日)
会場:新橋演舞場
【福岡公演】
2025年8月5日(火)~8月11日(月・祝)
会場:博多座
【京都公演】
2025年8月15日(金)~8月26日(火)
会場:南座
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/kabuki-toukenranbu/
公式サイト:
https://kabuki-toukenranbu.jp/
©NITRO PLUS・EXNOA LLC/歌舞伎『刀剣乱舞』製作委員会
フォトギャラリー(16件)
すべて見る