世界から厳選されたホラー映画が日本に集結！
シッチェス映画祭
ファンタスティックセレクション2021特集

最古で最大のホラー映画の祭典
シッチェス映画祭とは？

1968年に創設され、スペイン、バルセロナ近郊のシッチェスで毎年10月に開催されている権威ある映画祭。上映されるのはSFやホラー、スリラーなどのファンタジー系作品で、ブリュッセルやポルトと並び、三大国際ファンタスティック映画祭と称される。

熱狂的なファンに支えられており、しばし招かれる三池崇史監督もファンを自認。近年はアニメーションの編成にも精力的だ。日本では、この映画祭で好評を博した作品を紹介する＜シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション＞が2012年より開催されており、今回で8回目を迎える。

米、仏、台湾、カナダ、ロシア、スペインから届いた
2021のラインナップ6作品を紹介！

『BECKY ベッキー』

全米2週連続NO.1獲得、少女の壮絶な復讐劇！

全米でなんと2週連続のナンバーワンとなるヒットを飛ばした注目作。主人公のベッキーは、母と死別して父と暮らしている13歳の女の子。別荘での休暇時、父が再婚相手を連れて来たことに不服で、彼女は森へと飛び出してしまう。ところが、そのとき脱獄したネオナチの凶悪犯4人組が別荘に乗り込み、父や婚約者を人質に取った。それを知ったベッキーは、ある驚くべきスキルを駆使して凶悪犯たちへの反撃に打って出る！

あどけなさの残る少女が、屈強な男たちを痛快に、ときに残酷に、撃退する姿が魅力。『アナベル 死霊人形の誕生』で親友を助けようと頑張る孤児を演じたルル・ウィルソンが、ここでは家族を助けようとするヒロインに！

【DATA】

監督：ジョナサン・ミロ、カリー・マーニオン
出演：ルル・ウィルソン、ケヴィン・ジェームズ、ジョエル・マクヘイル
原題：BECKY
2020年／アメリカ／94分

©2020 BECKY THE MOVIE, LLC

『呪術召喚／カンディジャ』

妖女伝説をモチーフにした、フランス発の呪術ムービー

こちらはフランスから届いた最恐オカルト奇譚。ティーンエイジャーのアメリが、友人たちと怪談話をしていてその存在を知ってしまった、復讐に燃える邪悪な魔物“カンディシャ”。元カレから暴力を振るわれ、怒った彼女は感情任せに、この魔物を召喚。その後、元カレは死体となって発見されるが、それは始まりに過ぎなかった。カンディシャの呪いは拡大し、さらに死体が転がることになる……。

物語の基になったのは、モロッコで広く知られている妖女伝説。『屋敷女』『レザーフェイス 悪魔のいけにえ』と衝撃作を連発する監督コンビ、ジュリアン・モーリーとアレクサンドロ・バスティロが、呪われた“何か”をめぐる戦慄のドラマを演出。

【DATA】

監督：ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ
出演：マティルド・ラ・ミュス、サマルカンド・サアディ、スージー・ベンバ
原題：KANDISHA
2020年／フランス／85分

© 2020 - Esprits Frappeurs -WY Productions - SND

『ゾンビ・プレジデント』

政治家たちがゾンビ化して台湾の国会が地獄絵図に！

感染症対策の優等生と言われている台湾も、ゾンビウイルスには勝てないのかどうかは知らないが、こちらは台湾映画界の優等生と呼びたいホラーコメディ。台湾の国会、立法院で警備員の仕事をしていた負け犬的な青年ヨウウェイは、武術の得意な女性立法委員インインの強引な勧誘により、新米立法委員に転身。そんなある日、化学工場建設の真偽で紛糾していた立法院で、政治家たちが次々とゾンビ化する、とんでもない事件が勃発する。阿鼻叫喚の地獄絵図と化した議場で、ヨウウェイとインインは生き残ることができるのか!?

ゾンビパニックの壮絶な描写はもちろん、プロレス技を取り入れた豪快なアクション、主人公たちのロマンスの行方にも注目！

【DATA】

監督：ワン・イーファン
出演：ハー・ハオチェン、メーガン・ライ、フランチェスカ・カオ、トゥオ・ツォンホア
原題：Get the Hell Out
2020年／台湾／96分

©2020 Third Man Entertainment Co., Ltd. / Sky Films Entertainment Co., Ltd. / Lots
Home Entertainment Co., Ltd. / Uni Connect Broadcast Production Co., Ltd. / Greener
Grass Culture Co., Ltd. / Across Films Inc. / Kaohsiung Film Fund All Rights
Reserved　©Greener Grass Production Co., Ltd.

『キラー・ジーンズ』

新作ジーンズが人間を襲撃！　前代未聞のカナダホラー

ホラー映画の世界ではこれまで多くの殺人鬼が登場したが、ジーンズがシリアルキラーと化すのは前代未聞！　そんな奇想天外な設定に基づくブラックコメディ。とあるアパレルメーカーが開発した、誰の脚にも自動的にフィットする、画期的な最新ジーンズ。メーカーの従業員たちが発売前夜、キャンペーンの準備に追われる中、ジーンズが勝手に動き出して、人間に襲いかかる！

首を絞めたり、人体を切り刻んだりなどのスプラッター描写には、80年代から低予算ホラーの良作を放ち続けてきたカナダ映画界の底力が。ファストファッション・カルチャーの弊害を見据えた社会派の視点も宿り、バカバカしいなあ……とは切って捨てられない妙味もアリ。

【DATA】

監督：エルザ・ケプハート
出演：ロマーヌ・ドゥニ、ブレット・ドナヒュー、セハル・ボジャーニ、スティーブン・ボガート
原題：SLAXX
2020年／カナダ／77分

©10619248 CANADA INC.／EMAFILMS 2019

『スリープレス・ビューティー 戦慄の美女監禁実験』

“睡眠”を奪われた女性の運命は!?　ロシアの大問題作

本国ロシアでEDMのミュージシャンとしても活躍する一方、映画監督としても才気を発揮しているパウル・ファリーフが手がけた、ロシア版『ソウ』と呼びたいサイコスリラー。主人公ミラは若い女性で、ある日突然、謎の組織に拉致され、特殊にして残酷な実験への参加を強要される。ルールは、決して眠ってはいけないということ。VRゴーグルを装着され、体感させられる暴力のイメージの洪水に、実際に肉体を傷つけられる虐待。ただただ神経をすり減らすだけの、この実験をミラは生き延びることができるのか!?

容赦のないバイオレンス描写はヒロインと同様に、見ているこちらも精神をズタズタにされるよう。心してかかりたい大問題作！

【DATA】

監督：パウル・ファリーフ
出演：ポリーナ・ダヴィドワ、エヴゲーニイ・ガガーリン、セルゲイ・トプコフ、アンドレイ・テレシェンコ
原題：SLEEPLESS BEAUTY
2020年／ロシア／85分

『ロスト・ボディ ～消失～』

スペインの俊英がシッチェス映画祭に帰ってきた！

2011年のシッチェス映画祭でオープニングを飾った『EVA〈エヴァ〉』が“スペインのアカデミー賞”と呼ばれるゴヤ賞で新人監督賞を受賞した俊英キケ・マイーヨの新作。アメリ・ノートンのベストセラー小説に基づき、ミステリアスなドラマを紡ぎ出す。

主人公アンガスは成功した建築家。飛行機に乗り遅れ、自らが設計した空港で立ち往生するハメになった彼は、テッセルと名乗る話好きの若い女性に声をかけられた。彼女が語る、殺人や犯罪にまつわる奇妙な話。“人を殺したこと、ある？”──テッセルの話は、やがてアンガスの秘密の過去を暴き出し……。現実と幻想が交錯させ、人間の心の闇に切り込んでいくダークなサスペンス。

【DATA】

監督：キケ・マイーヨ
出演：トマシュ・コット、アシーナ・ストラテス、マルタ・ニエト、ドミニク・ピノン
原題：A PERFECT ENEMY
2020年／スペイン、ドイツ、フランス／88分

©2020. SÁBADO PELÍCULAS, BARRY FILMS, THE PROJECT