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ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > 『連続ドラマW-30 ああ、ラブホテル~秘密~』特集①

“仕掛け人”に聞いたら──
まさにWOWOWでしかできないこだわりが満載だった!
WOWOW『連続ドラマW-30 ああ、ラブホテル~秘密~』特集

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現在、WOWOWで放送・配信中のドラマ『ああ、ラブホテル ~秘密~』は、ラブホテルを舞台にした、笑いあり涙ありのオムニバスドラマ。毎回、様々なキャラクターが究極の密室=ラブホテルで観客の予想を心地よく裏切るドラマを見せてくれる。

本作はリアルタイムの放送で観るのも楽しいが、配信で繰り返し観たり、ちょっとしたスキマ時間に楽しめるのも魅力のひとつ。初めて観るエピソードには笑いとサプライズが、繰り返し観ることで初回では気づかなかった“こだわり”が見える傑作シリーズだ。

なぜ舞台はラブホテルだったのか、なぜオムニバス形式だったのか。本作を手掛けたWOWOWの徳田雄久プロデューサーにその発想や経緯、こだわりを語ってもらった。

1:なぜ“ラブホテル”だったのか?

第1話:「狐と狸」

本シリーズは2014年にスタート。今回の『秘密』は9年ぶりの新作だ。「最初はドラマというよりバラエティのひとつとして始まったんです」と徳田プロデューサーは振り返る。

「2014年に『大人番組リーグ2』というバラエティ選手権のような番組で放送され、そこからレギュラーに選ばれて5回/10エピソードが放送されました。ただ当時はWOWOWにも深夜ドラマの枠はなくて、私が社内異動で現場を離れたので、そのままになっていたのですが、2020年に再び現場に戻ると、約10年前に作ったこのシリーズが外部の配信サイトですごく観てもらえている、という話が入ってきたんです(笑)。

ひとつのエピソードが10分ぐらいなので配信で観るのに合っていますし、女性の視聴者からも好評だと。ですから、私の異動の事情もありましたけど、何よりもこのシリーズに時代が追いついたと言いますか(笑)、配信で楽しんでもらえる時代にマッチした企画だというのが新シーズン制作の上では大きいと思います」

タイトルにもあるとおり、本作はラブホテルを舞台に、ワンシュチュエーションで約10分のドラマが描かれる。その題材はコメディを基本としながらも多種多様。会話劇もあれば、アクションもある。男女の駆け引きもあれば、強烈なキャラクターが次々に出てくるド派手な10分間もある。お互いに秘密を抱えた男女もいれば、朝目覚めるとなぜか手錠でつながれている男女、ただ話をするためだけに集った中年男性たちもいる。すべては「“ラブホテル”という場所の許容量が大きいから」だと徳田プロデューサーは笑みを見せる。

「実は2014年の最初のシリーズが終わった後に、これに続く“ああ、○○”シリーズを考えてみたんですが、ワンシュチュエーションでドラマの舞台になる場所を考えると、ラブホテルを超える場所がないんです。ラブホテルが舞台だと外部から人の出入りが自由ですし、部屋の中で何が起こっているのか分からない。もし舞台がアパートだと、出てくるのは住人だけで、外部から入ってくるのは泥棒ぐらいしかいない。ラブホテルという場所は許容量が大きいんですよ。

実は僕はラブホテル街で生まれ育ったんです。ラブホテルはバブル期に建設ラッシュがあったので、建物としてはバブル期ならではの派手な感じだったり、当時開業したばかりのディズニーランドのようなファンタジーさがあったり……すごく魅力的なんですけど、当時は子どもだから中には入れなかった(笑)。

だから“この中では一体、何が行われているんだろう?”とずっと思っていましたし、日常から一歩入るだけの“異空間”にずっと惹かれてきました。2000年代に入って外国人観光客がラブホテルに宿泊するケースが増えたそうなんですが、海外の人から見たら“スシ、テンプラ、ラブホテル”なのかもしれない。日本独自の文化で、中で何が行われているのか分からない究極の密室。すごくファンタジックですし、そこにクリエイターの想像の余地があるんじゃないかと思ってこのドラマを企画した部分もあります」

ちなみにドラマでは毎回、全国の名物ラブホテル、個性的なデザインのホテルを紹介する“写真館”のコーナーや、ホテルで働く従業員たちの一面を描く爆笑必至のスケッチも登場。本シリーズにおいてラブホテルは単なる舞台ではないのだ。

「写真館ではあえて歴史のある建物をたくさん入れました。そこは僕のこだわりでして、実は自分で現地まで行って、交渉してるんです(笑)。撮影のオファーをすると、ラブホテルの経営者の方も応援してくださったので、撮っていてすごく面白かったですね。このシリーズでは、ラブホテルも”主役”だと思っています」

(次ページへ続く)

WOWOW『連続ドラマW30 ああ、ラブホテル~秘密~』

毎週金曜日午後11時30分放送・配信(全9話/18エピソード)

監督・脚本:藤村享平、松本優作、淺雄望、二ノ宮隆太郎、内山拓也、近藤啓介、阪元裕吾、大九明子(放送順)
共同脚本:木村暉(内山監督話)、島田雄史(松本監督話)
音楽:渡邊崇

第1話
監督・脚本:藤村享平(『パパはわるものチャンピオン』、「ラブリラン」)
出演:「狐と狸」坂東龍汰、石川瑠華 / 「運命の2人」岡山天音、小野花梨

第2話
監督:松本優作(『Winny』、『ぜんぶ、ボクのせい』)
脚本:松本優作、島田雄史
出演:「愛してれば、関係ない」松本まりか、三浦貴大 / 「壁の落書き」皆川猿時、桜田ひより

第3話
監督・脚本:淺雄望(『ミューズは溺れない』)
出演:「落とせたら10万円」堀田真由、井之脇海 / 「2人合わせて5万円」鈴木杏、石井杏奈、林田洋平(ザ・マミィ)

第4話
監督・脚本:二ノ宮隆太郎(『お嬢ちゃん』『枝葉のこと』)
出演:「子猫ちゃん」磯村勇斗、三浦透子/「早春」荒川良々、木竜麻生

第5話
監督:内山拓也(『佐々木、イン、マイマイン』、『ヴァニタス』)
脚本:内山拓也、木村暉
出演:「再見、生活費」 瀬戸康史、瀧内公美、三村朱里 / 「愛しき隣人」酒向芳、光石研

第6話
監督・脚本:近藤啓介(『ウーマンウーマンウーマン』、「直ちゃんは小学三年生」)
出演:「フロント9番」金子大地、片山友希、中村無何有 / 「十八番」櫻井健人、大鷹明良、芹澤興人、成嶋瞳子

第7話
監督・脚本:阪元裕吾(映画『ベイビーわるきゅーれ2 ベイビー』)
出演:「HAPPENING KILLER」伊能昌幸、中村ゆりか、坂口涼太郎 / 「思ってたのと違う」小野莉奈、前田旺志郎

第8話
監督・脚本:藤村亨平(『パパはわるものチャンピオン』「ラブリラン」)
出演:「記憶」加藤諒、岡田結実/「やさしいホスト」森崎ウィン、佐藤玲、高石あかり

第9話
監督・脚本:大九明子(『勝手にふるえてろ』、『私をくいとめて』)
出演:「ダイバーシティ・ラブホテル」林遣都、板垣李光人/「あああ、ラブホテル」坂井真紀、岡田義徳、北村優衣、山崎竜太郎、山脇辰哉