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ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > 『連続ドラマW-30 ああ、ラブホテル~秘密~』特集④

“仕掛け人”に聞いたら──
まさにWOWOWでしかできないこだわりが満載だった!
WOWOW『連続ドラマW-30 ああ、ラブホテル~秘密~』特集

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現在、WOWOWで放送・配信中のドラマ『ああ、ラブホテル ~秘密~』は、ラブホテルを舞台にした、笑いあり涙ありのオムニバスドラマ。毎回、様々なキャラクターが究極の密室=ラブホテルで観客の予想を心地よく裏切るドラマを見せてくれる。

本作はリアルタイムの放送で観るのも楽しいが、配信で繰り返し観たり、ちょっとしたスキマ時間に楽しめるのも魅力のひとつ。初めて観るエピソードには笑いとサプライズが、繰り返し観ることで初回では気づかなかった“こだわり”が見える傑作シリーズだ。

なぜ舞台はラブホテルだったのか、なぜオムニバス形式だったのか。本作を手掛けたWOWOWの徳田雄久プロデューサーにその発想や経緯、こだわりを語ってもらった。

3人の映画ライターに聞く
『ああ、ラブホテル~秘密~』のおススメエピソードはコレ!

遠藤薫(映画ライター)のおススメ!

第4話:『早春』

一見全く接点のなさそうな年の離れた男女。いわゆる“素人童貞”の中年男性・はる夫と、ラブホに来るのは初めてだが性には貪欲に生きてきたらしい若い女性・明美の生々しく赤裸々な会話劇は、いつまでも見ていられる情報量と“あるある”に満ちている。食欲と性欲の共存はこの作品のキモでもあるが、広いベッドの上でいかにもハイカロリーそうなカツカレーをガツガツ食べるふたりは、ある意味でエロスとは対極にいるようで微笑ましくさえある。ふたりが編み出した食欲と性欲の驚くべき融合法は、まさに目から鱗かも!?

第6話:『フロント9番』

人生初のラブホテルにテンパりまくるひろしと、見るからに清純そうでおっとりとしたミサ。ミサの前で懸命にかっこつけようとして、すべてが裏目に出るひろしのおかしさを、金子大地がハイテンションに演じ切る。個人的にはフロントに電話をする度に、律儀に名字を名乗るひろしが絶妙にツボ。(ひろしにとっては)高価な自転車を、外に駐輪すると“絶対に盗まれる”と頑なに信じ込んでいる様子も面白い。全編の中で最も声を上げて笑えた作品であり、ラストでひろしのしょんぼり具合が愛おしくも映った。

第7話:『HAPPENING KILLER』

少し意外だが、全編の中で本格的なアクションががっつり描かれるのはこの作品のみ。腕はいいがどこか人が良さそうな殺し屋・Kと、風俗嬢かと思いきや実は……なミステリアスな美女・千佳が、とにかく暴れまくる。ガンアクション、肉弾戦、飛び散る血しぶきとやっていることはかなりバイオレンス色強めだが、不思議とテンポよくキャッチーに見えるのはこの尺だからこそ。ラブホテルには死体がよく似合うというと大変語弊があるが、フィクションの映像作品においてはこれくらい振り切ってくれるのも楽しいものだ。

黒豆直樹(映画ライター)のおススメ!

第2話:『愛してれば、関係ない』

このシリーズ、多くのエピソードで面白さのカギを握っているのは男の情けなさ。その意味でシリーズで1、2を争う見事なダメ男っぷりを見せているのが三浦貴大! 俳優が演じるヘタな俳優役ってなんであんなに面白いのか……。そして、急に売れっ子女優になったことに疲れ、戸惑う恋人役を演じる松本まりかも妙にリアル! 初々しい若いカップルのやりとりもいいけど、相手を知り尽くし、もはやラブホという場所になんのワクワクやドキドキも抱いていない倦怠カップルの佇まいが面白い。

第3話:『落とせたら10万円』

井之脇海のカッコ悪さと堀田真由のカッコよさ&キュンとくるかわいさの対比が素敵! ラブホテルが舞台だと、やたら手錠や鎖が出てくるのは、(そこにあるからというのはもちろんだが)ある種のバーチャル空間のような場所だからなのか? これからどうにかなるかもしれないカップルにとって、ラブホって重要な非日常のワンクッションなのかも。ここで“本当の自分”を相手に見せるか? はたまた“相手に見せたい自分だけ”を見せるかで、今後のふたりの関係にも影響が……。「相手を知るためにラブホに行こう!」と薦めたくなる1作。

第7話:『思ってたのと違う』

コトの直前でまさかの心変わり……。これがウワサの“蛙化現象”か?と戦慄しつつ、そこからのふたりの会話の応酬が心地よい。これが令和の若者たちのリアルな会話とノリなのか否かは昭和生まれには知る由もないが、「いや、別にいいんだけどさ……」と相手を全否定することなく、それでも「思ってたのと違う」という違和感を挿入していくふたり。小野莉奈の瞬発力も前田旺志郎のリアクションも素晴らしい! “ひろゆき”、“ASMR”、“刃牙の死刑囚”、“コンビニの買い物”などなど、議題や例がいちいちどうでもいい。

よしひろまさみち(映画ライター)のおススメ!

第4話:『子猫ちゃん』

男性が女性に対して「子猫ちゃ~ん(ハート)」とベッドに誘う。この昭和な手口。女性側にベッドインの合意を得ていたとしても、気分は急降下。逆に女性から男性に「ライオンちゃ~ん(ハート)」と言われたらどうか、考えてほしい。いわゆるコンセント(相互合意)がされているか否かを、ここまでおかしく笑える短編にしたのは素晴らしい。おまけに能面のように無表情な三浦透子がドハマリ。笑いながら男性性の傲慢を学べる1作だ。

第5話:『愛しき隣人』

学生時代の先輩後輩という関係の年金世代男性ふたりが、なぜかラブホテル。ふたりの関係性、この場所を選んだ理由、それぞれが抱えていた思いなどが、酒向芳と光石研のベテランふたりの芝居で徐々に明かされる。ネタバレになっては興ざめになるので、これらの詳細は観てからのお楽しみだが、もし今の日本がなんらかの戦争に巻き込まれていたとしたら、このようなふたりは本当に現れるかも、と身震いする悲劇的なエピソード。

最終話:『ダイバーシティ・ラブホテル』

ゲイであることをカミングアウトしていない人権派弁護士と、幼い頃からゲイとしてのびのび育ったパラリーガル。愛し合うために入ったラブホなのに、ひょんな気づきからついつい法律について考えてしまう……。ゲイの法律家の視点で、ラブホテルにいまだ残る理不尽、セクシュアリティをオープンにすることの意味など、いくつもの問題があぶりだされる。多くのことがいまだグレーのまま、ということが可視化された珠玉のコメディ。

WOWOW『連続ドラマW30 ああ、ラブホテル~秘密~』

毎週金曜日午後11時30分放送・配信(全9話/18エピソード)

監督・脚本:藤村享平、松本優作、淺雄望、二ノ宮隆太郎、内山拓也、近藤啓介、阪元裕吾、大九明子(放送順)
共同脚本:木村暉(内山監督話)、島田雄史(松本監督話)
音楽:渡邊崇

第1話
監督・脚本:藤村享平(『パパはわるものチャンピオン』、「ラブリラン」)
出演:「狐と狸」坂東龍汰、石川瑠華 / 「運命の2人」岡山天音、小野花梨

第2話
監督:松本優作(『Winny』、『ぜんぶ、ボクのせい』)
脚本:松本優作、島田雄史
出演:「愛してれば、関係ない」松本まりか、三浦貴大 / 「壁の落書き」皆川猿時、桜田ひより

第3話
監督・脚本:淺雄望(『ミューズは溺れない』)
出演:「落とせたら10万円」堀田真由、井之脇海 / 「2人合わせて5万円」鈴木杏、石井杏奈、林田洋平(ザ・マミィ)

第4話
監督・脚本:二ノ宮隆太郎(『お嬢ちゃん』『枝葉のこと』)
出演:「子猫ちゃん」磯村勇斗、三浦透子/「早春」荒川良々、木竜麻生

第5話
監督:内山拓也(『佐々木、イン、マイマイン』、『ヴァニタス』)
脚本:内山拓也、木村暉
出演:「再見、生活費」 瀬戸康史、瀧内公美、三村朱里 / 「愛しき隣人」酒向芳、光石研

第6話
監督・脚本:近藤啓介(『ウーマンウーマンウーマン』、「直ちゃんは小学三年生」)
出演:「フロント9番」金子大地、片山友希、中村無何有 / 「十八番」櫻井健人、大鷹明良、芹澤興人、成嶋瞳子

第7話
監督・脚本:阪元裕吾(映画『ベイビーわるきゅーれ2 ベイビー』)
出演:「HAPPENING KILLER」伊能昌幸、中村ゆりか、坂口涼太郎 / 「思ってたのと違う」小野莉奈、前田旺志郎

第8話
監督・脚本:藤村亨平(『パパはわるものチャンピオン』「ラブリラン」)
出演:「記憶」加藤諒、岡田結実/「やさしいホスト」森崎ウィン、佐藤玲、高石あかり

第9話
監督・脚本:大九明子(『勝手にふるえてろ』、『私をくいとめて』)
出演:「ダイバーシティ・ラブホテル」林遣都、板垣李光人/「あああ、ラブホテル」坂井真紀、岡田義徳、北村優衣、山崎竜太郎、山脇辰哉