監督：朝原雄三
出演：上戸彩、高良健吾、西田敏行、余貴美子、夏川結衣、成海璃子、柄本佑、緒形直人、鹿賀丈史
デジタル配信記念！
『大名倒産』と“金融エンタメ時代劇”の世界
今年6月に公開され、スマッシュヒットを記録した映画『大名倒産』のデジタル配信がスタートした。本作は、いきなり若殿になってしまった青年が仲間と共に借金100億円の返済を目指すエンターテインメント時代劇だ。
映画界では合戦や決闘ではなく、日常にまつわる“お金”や“料理”、日々の暮らしを題材にした時代劇が数多く公開され人気を集めている。そこで本特集では、人がほとんど死なない、時代も動かさない、でも笑いと感動のつまった“金融エンタメ時代劇”の世界の魅力を紹介します！
まだある！“金融エンタメ時代劇”の世界
『武士の献立』(2013)
武士の生活を“料理の献立”から描いたユニークな時代劇。江戸時代の加賀藩を舞台に、将軍家や大名家に仕え、その台所を担ったことから“包丁侍”と呼ばれている舟木伝内と、その息子、彼のもとに嫁いだ女性・春の物語を描く。料理が苦手な跡取り息子の安信を高良健吾が、優れた味覚と料理の腕をもつ妻を上戸彩が演じるほか、伝内役で西田敏行、その妻・満役で余貴美子が出演。春が夫に料理指南する過程で、当時の台所事情や社会情勢が垣間見える内容で、実際のレシピ集「料理無言抄」を基にした料理もふんだんに登場する。『釣りバカ日誌』シリーズの名匠・朝原雄三が監督を務めている。
『超高速！参勤交代』(2014)
監督：本木克英
出演：佐々木蔵之介、深田恭子、伊原剛志、寺脇康文、市川猿之助、石橋蓮司、陣内孝則、西村雅彦
江戸時代を勉強すると必ず登場する“参勤交代”をモチーフにした異色のエンタメ大作。徳川吉宗の時代、磐城国の弱小貧乏藩・湯長谷藩はお上から突然、参勤交代を命じられた。参勤交代は通常、約8日を要するが、命じられた期日は4日！ さらには莫大な費用も必要だが、困窮した藩には無理難題。しかし、藩主の内藤政醇は4日間で参勤交代を達成するべく奇想天外な作戦に挑む！次から次に登場する個性的なキャラクター、湯長谷藩の金山を我が物にしようとする老中が放った刺客とのバトルと見どころ盛りだくさん！ 第38回日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第57回ブルーリボン賞作品賞など高評価を得た。
『超高速！参勤交代 リターンズ』(2016)
監督：本木克英
出演：佐々木蔵之介、深田恭子、伊原剛志、寺脇康文、上地雄輔、知念侑李、柄本時生、六角精児
大ヒットを記録した前作から2年後に登場した続編。前作のラストで“参勤”を達成した湯長谷藩だが、今度は藩に帰る“交代”が待っていた！ さらに道中で藩で一揆が起こったとの知らせが入り、一行は2日以内に故郷に戻り、一揆を収めなければならなくなる！ 前作を上回る難題の連続で、物語のテンポや笑い、起こる出来事の面白さがパワーアップ。前作に続いて一行を率いる藩主・内藤政醇を佐々木蔵之介が演じるほか、西村まさ彦、深田恭子、寺脇康文ら前作のメンバーが続投。コミカルな展開と予想外のドラマの連続だが、藩を守ろうとする面々の想いが感動を生む結末は必見！ 痛快なエンタメ時代劇だ。
『殿！利息でござる』(2016)
監督：中村義洋
出演：阿部サダヲ、瑛太、妻夫木聡、竹内結子、寺脇康文、千葉雄大、羽生結弦、松田龍平
磯田道史の評伝『穀田屋十三郎』を原作にした感動のエンタメ時代劇。重税によって苦しい生活が続き、破産や夜逃げする人が続出する仙台藩の小さな宿場町で、町の未来を憂う造り酒屋の男が、宿場イチの知恵者から“ある提案”を持ちかけられる。それは藩に大金を貸して利息を巻き上げること！ これまで藩から奪われてきた者たちが、藩から利息を奪う前代未聞の作戦は成功するのか？ 阿部サダヲ、瑛太、妻夫木聡ら豪華キャストで描く本作は、“江戸時代のミッション（作戦）”もの。先の読めない展開に手に汗握り、命をかけても藩の未来を守ろうとする人々に思わず涙する名作だ。
『引っ越し大名！』(2019)
監督：犬童一心
出演：星野源、高橋一生、高畑充希、小沢征悦、濱田岳、西村まさ彦、松重 豊
『超高速！参勤交代』シリーズの土橋章宏が原作と脚本を務めた痛快エンタメ時代劇。書庫にこもってばかりで人と話すのが苦手な侍・片桐春之介は、藩主から姫路から大分への国替え（引っ越し）を命じられる。移動するのは10000の人間と家財道具すべて。その距離は600キロにもおよぶ壮大なプロジェクトだが、春之介には引っ越しの知識などあるはずはなく、さらに予算はないも同然。絶体絶命のピンチに藩の仲間が集結。彼らは知恵と工夫で巨大な“引っ越しプロジェクト”に挑む！ 春之介を星野源が演じるほか、高橋一生、高畑充希らが出演。立川志らくがナレーションを務めている。
