新しい“映画との出会い”がきっとある！
月イチ！“ぴあテン”ランキング
2024年10月公開の「みた」映画ベストテン！

エンタメの出会いと発見を提供する「ぴあアプリ＆Web」のランキング企画『月イチ！“ぴあテン”ランキング』！　「ぴあアプリ＆Web」でいつも映画のレビューを執筆していただいている「水先案内人」合計27名の皆様に、2024年10月公開の「みた」映画の中から特に良かった作品、好きだった作品、高く評価している作品を投票していただいたベストテンを発表します！

本企画は、毎月中旬頃に発表予定。同じく「水先案内人」の皆様に聞いた「これからみたい」映画ベストテンも、毎月末～翌月初旬に発表します。ふたつのランキングで、映画ツウたちがみた上で高く評価した作品や期待している作品をチェックして、新しい“映画との出会い”をお楽しみください！

【ランキング投票方法】
水先案内人合計27名に2024年10月公開の「みた」映画の中からそれぞれがベスト3までを挙げていただき、1位：5点、2位：3点、3位：2点のポイントを付けたうえで集計したもの。対象は2024年10月1日～10月31日に日本で劇場公開された作品で、映画祭や特集上映での公開作、配信のみの作品、ライブビューイング、ブルーレイ・DVDのみでの発売作品は含みません。

ぴあ水先案内人27人が投票！
2024年10月公開の「みた」映画ベストテンはこちら！

1位

シビル・ウォー　アメリカ最後の日

公開日：2024/10/4(金)

61pt

2位

ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ

公開日：2024/10/11(金)

30pt

3位

２度目のはなればなれ

公開日：2024/10/11(金)

23pt

4位

二つの季節しかない村

公開日：2024/10/11(金)

13pt

5位

八犬伝

公開日：2024/10/25(金)

12pt

6位

悪魔と夜ふかし

公開日：2024/10/4(金)

11pt

7位

花嫁はどこへ？

公開日：2024/10/4(金)

10pt

同7位

まる

公開日：2024/10/18(金)

10pt

9位

ジョイランド　わたしの願い

公開日：2024/10/18(金)

9pt

10位

徒花-ADABANA-

公開日：2024/10/18(金)

8pt

【ランキング総評】
2024年10月に日本で劇場公開された映画は90作品。そのうち、ぴあ水先案内人の「みた映画のベスト3」に選ばれた作品は、全部で31本ありました。

集計の結果、ランキング第1位に輝いたのは、61ポイントを獲得した『シビル・ウォー　アメリカ最後の日』！　10人が“ベスト1”に選出、ダントツの首位でした。「アメリカの内戦という設定の見事さ」（中川右介）、「ありきたりのホラー映画よりも数倍は怖かった」（相馬学）といったコメントが寄せられた本作は、状況説明もなく、一気に戦争のまっただ中に放り込まれる、その臨場感も魅力。映像・音響ともに大迫力の作品です。

第2位は『ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ』。公開するやいなや、賛否両論が噴出し、話題となった作品ですが、「個人的には1作目より好き」（イソガイマサト）、「幸福が許されないミュージカルの不協和音が悲しい」（真魚八重子）など“推し”の声に支えられ、9月に発表した「10月の“みたい”映画ベストテン」の1位からは順位を下げたものの、見事2位に食い込みました。

第3位には『２度目のはなればなれ』が！　「マイケル・ケイン有終の美」（よしひろまさみち）という賛辞のとおり、名優ケインが引退作として選んだ、ノルマンディ上陸作戦70年の式典に関わる退役軍人の実話。「名優たちの演技に見惚れ、人生を見つめる物語」（伊藤さとり）です。

ほかにも、「みたいランキング」時にはランク外だった『花嫁はどこへ？』『ジョイランドわたしの願い』『徒花-ADABANA-』の3本がベストテン入りを果たしました。まさに「観てみたら、とてもよかった！」といえる作品です。

水先案内人が投票する、2024年10月公開の「これからみたい」映画ベストテンへ

ぴあ水先案内人から寄せられた選出コメント

イソガイマサト
フリーライター

2024年10月公開の「みた」映画ベスト3
①悪魔と夜ふかし
②若き見知らぬ者たち
③ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ
【選出コメント】
①は斬新なアイデアと作り込まれた世界観、ホラー映画の枠組みに留まらない遊び心&クリエイティビティに興奮！　②は内山拓也監督の強烈なメッセージと、それをブレなく高濃度で伝える演出に痺れた。否定的な意見が多い③も個人的には1作目より好き。トッド・フィリップス監督は本作のために前作を作ったのでは？と思ったぐらいだ。

伊藤さとり
映画パーソナリティー

2024年10月公開の「みた」映画ベスト3
①花嫁はどこへ？
②最後の乗客
③２度目のはなればなれ
【選出コメント】
①インド映画は良作が多いが、男女不平等の根底にある家父長制からの解放をエモーショナルかつ、希望ある物語に昇華。②まさかの号泣。シンプルな題材を現実とファンタジーとの境目でしっかりと普遍的なメッセージとして観客に届ける作品。③名優たちの演技に見惚れ人生を見つめる物語は、懺悔に向き合った時が優しさの始まりだと教えてくれる。

植草信和
フリー編集者（元キネマ旬報編集長)

2024年10月公開の「みた」映画ベスト3
①ビバ・マエストロ！指揮者ドゥダメルの挑戦
②ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ
③八犬伝
【選出コメント】
①は音楽がいかに人間に勇気を与えるかを描いたドキュメンタリー映画。ドゥメルダの絶望しない活動に心から拍手を送った。②は賛否両論あれど、ジョーカーの魂は生き続けていく、というラストに惹かれた。③は馬琴と北斎が「東海道四谷怪談」を観劇、奈落で鶴屋南北と虚と実について議論を交わすシーンが面白かった。

相馬学
フリーライター

2024年10月公開の「みた」映画ベスト3
①ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ
②シビル・ウォー　アメリカ最後の日
③ソウＸ
【選出コメント】
①賛否あるが、個人的には断然、賛！　前作がアメリカンニューシネマの精神を受け継いでいた以上、この展開は必然だ。②ありきたりのホラー映画よりも数倍は怖かった。ジェシー・プレモンスに助演男優賞を進呈したい。③シリーズ初のジグソウ視点の物語。人間ドラマが強化されたことで残酷ポルノに終わらない凄みが！

中川右介
作家、編集者

2024年10月公開の「みた」映画ベスト3
①シビル・ウォー　アメリカ最後の日
②八犬伝
③まる
【選出コメント】
①はケイリー・スピーニーの成長・変化の過程の演技と、アメリカの内戦という設定の見事さと、その背景には踏み込まず、若者の成長を描くロードムービーに徹した脚本が素晴らしい。②は、時代劇もまだまだ可能性があるとうれしくなった。③は現代社会を現代アートを切り口にして描くという、小難しくなりそうな話を、軽やかに描いている。

堀晃和
ライター（元産経新聞）、編集者

2024年10月公開の「みた」映画ベスト3
①室井慎次　敗れざる者
②２度目のはなればなれ
③ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ
【選出コメント】
①1日に2度観た。帰宅後、もう一度、室井さんに会いたくなって映画館に戻った。それからずっと誰かに語りたい状態が続いている。秋田の田舎で懸命に生きるひとりの大人と子供たち。この家族をいつまでも見守りたくなる。②英国の名優マイケル・ケインの引退作。それだけで観る価値あり。③ジョーカー役ホアキン・フェニックスの演技は見逃せない。

真魚八重子
映画評論家

2024年10月公開の「みた」映画ベスト3
①ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ
②ジョイランド　わたしの願い
③悪魔と夜ふかし
【選出コメント】
①は童貞が初めて愛されて有頂天になるのは当然なのに、幸福が許されないミュージカルの不協和音が悲しい。②は家父長制やLGBTQの様々な問題点に目配せがされた秀作。女性はもちろん、男性もしんどいという指摘は重要。③はデヴィッド・ダストマルチャンの長身に似合った、70年代風デザインのスーツ姿が好き！ラストの迷宮感も良し。

村山匡一郎
映画評論家

2024年10月公開の「みた」映画ベスト3
①二つの季節しかない村
②ピアニストを待ちながら
③ガザからの報告
【選出コメント】
①冬と夏、雪と陽光、雄大さと卑小さ、男と女、愛と憎しみ、内と外など、二項対立のアンビヴァレントな戯れが見事。 ②不条理な空間に閉じ込められた存在の揺らぎが眩しいまでに迫る。これは自らの生に対する問いかけの映画といえる。 ③マスコミ報道を超えて、普通の人々の暮らしからガザの厳しい状況が知れて驚かされる。30年以上に及ぶ監督の取材には脱帽。

よしひろまさみち
映画ライター

2024年10月公開の「みた」映画ベスト3
①拳と祈りー袴田巖の生涯ー
②２度目のはなればなれ
③若き見知らぬ者たち
【選出コメント】
①ベストなタイミングでの公開。これを観て、その後の検察側の対応に疑問を持たない人いるのかしら？　②マイケル・ケイン有終の美。実話ベースってのもびっくり。③重めの役が続く磯村勇斗の現在最高演技。ヤングケアラーへの問題意識を高めるためにもぜひ。