
今年最大の注目作、逆襲エンターテインメント『ミッキー17』がついに解禁
『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』が3月28日(金)から公開になる。本作は何度も“死んでは生き返る”任務についてしまった主人公の逆襲を描くエンターテイメント作品。『TENET テネット』『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』のロバート・パティンソンが主演を務め、誰も予想できない物語が描かれる。
第1回
“使い捨てワーカー”ミッキーの逆襲が始まる!

主人公ミッキーは、とにかくダメダメな男で、ちょっと内気で凶暴なわけでも悪党でもないが、ちょっとしたことをきっかけに追い詰められ、とにかく人生失敗だらけ。そこで得たのが“何度も生まれ変わる夢の仕事”だ。
しかし、それは過酷な環境に放り込まれて死んではまた生き返る仕事だった。どん底で死んでは生き返る“死にゲー”状態の日々をおくる17番目のミッキーの前に、なんと18番目のミッキーが出現。“ふたりのミッキー”は人生を取り戻すために逆襲を開始する。
原作は米作家エドワード・アシュトンの小説『ミッキー7』。ワーナー・ブラザース映画と、デデ・ガードナー、ブラッド・ピットらが率いる制作会社プランBが脚色と監督を熱望したのは、『パラサイト 半地下の家族』で史上初の非英語作品のオスカー受賞をもたらしたポン・ジュノ監督。原作小説の魅力をさらに膨らませ、手に汗握るエンターテイメントと観客の誰もが共感できるドラマを描き出す。
パティンソンのほか、ミッキーと行動を共にするナーシャをナオミ・アッキーが、ひと癖ありげな友だちのティモをスティーブン・ユァンが演じ、ミッキーたちを抑圧する超絶ブラック企業のリーダーたち役で名優マーク・ラファロ、トニ・コレットが出演。彼らが演じるのは、クセが強くて笑える強烈なキャラクターたち。彼らが“ふたりのミッキー”のドラマにどう絡んでくるのかも楽しみだ。
2025年、世界が最も待っていた映画

本作は製作がウワサになっている時点から世界の注目度の高さがハンパなかった! キャストが決まり、撮影が始まったと伝えられると世界中の映画ファンから期待のコメントが数多くアップされ、その熱量は右肩上がりで上昇。観客だけでなく世界の映画祭関係者も本作の完成を待ちわびた。
そして、2月13日(現地時間)、ロンドンでついにワールドプレミアが行われ、その全貌が披露された。続いてベルリン国際映画祭にも出品され、世界中の観客の期待値はさらにアップ。批評家によるレビューも絶賛が続いており「ポン・ジュノ監督の英語作品のうち、最も優れた作品」(IndieWire)、「ポン・ジュノは21世紀で最も強力で安定した映画監督としての地位をさらに固めた」(Total Film)「誇らしいほど独特な作品」(SCREEN DAILY)などのフレーズが踊っている。
史上初の非英語作品でオスカーに輝いた『パラサイト 半地下の家族』から6年。世界中の映画ファンが最も気になっていた、最も待っていた、最も観たかった映画が『ミッキー17』なのだ。
待っていてよかった! 『ミッキー17』はポン・ジュノ最高傑作

韓国で記録を塗り替える大ヒット作を連発し、英語圏でも次々に新作を手がけるポン・ジュノ監督は現在では世界的な名監督だ。そんな彼の最新作『ミッキー17』は一体、どんな映画になるのか? 今から期待と不安が膨らんでいる人も多いのではないだろうか?
結論からお伝えする。本作はポン・ジュノ監督の最高傑作だ。
ポン・ジュノ作品といえば、ブラック・コメディの面白さ、深読みできる&奥行きのあるストーリーが魅力だが、そのどちらもが最高レベルで展開される。
主人公が死んでは生き返る“使い捨てワーカー”という設定を駆使して、本作では爆笑シーン、超絶アクションが次々に登場する。笑っていいのか、これ、と思いつつも笑ってしまう“ポン・ジュノ作品の楽しさ”が本作では最高密度で描かれる。繰り返される死と再生は、コミックやゲームによく登場する“ループもの”のさらなる進化系のよう。
単なるループではなく、記憶や感情を維持したまま、時間が戻ることなく死んでは生き返る。では、その記憶はどこから? そのあたりの疑問にも映画の中でスマートに応え、それを物語のフックにする手際の良さ。笑えるシーンが意外な伏線になっていたり、キャラクター表現になっていたりもする。これぞ繰り返し観たくなるポン・ジュノ映画の“やみつき”ポイントだ。
そしてストーリーも進化している。「パラサイト」は“半地下”がキーワードだったが、本作は何と“どん底”! 逃げ場のない未開の地で、一瞬で死んでしまうような環境に放置される主人公と、労働者を使い捨ててはなぜか演説だけが大声で長い超ブラック企業のリーダー。エンタメ作品なのに現代社会の一面を見ているような、人類が歴史の中で繰り返してきた光景を眺めているような“深い”設定だ。
本作ではそれを緊迫のアクション、上下を意識させるビジュアル、笑い、予想外のドラマ運びを駆使して“主人公の逆襲劇”として描いていく。笑えて、痛快で、共感できて、観終わってもスカッと深い余韻が残る。『パラサイト』で感じたあの感覚をさらに上回る1作だ。
『ミッキー17』
3月28日(金) 公開
mickey17.jp
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第1回