新しい“映画との出会い”がきっとある！
月イチ！“ぴあテン”ランキング
2025年6月公開の「みた」映画ベストテン！

エンタメの出会いと発見を提供する「ぴあアプリ＆Web」のランキング企画『月イチ！“ぴあテン”ランキング』！　「ぴあアプリ＆Web」でいつも映画のレビューを執筆していただいている「水先案内人」合計27名の皆様に、2025年6月公開の「みた」映画の中から特に良かった作品、好きだった作品、高く評価している作品を投票していただいたベストテンを発表します！

本企画は、毎月中旬頃に発表。同じく「水先案内人」の皆様に聞いた「これからみたい」映画ベストテンも、毎月末～翌月初旬に発表しています。ふたつのランキングで、映画ツウたちがみた上で高く評価した作品や期待している作品をチェックして、新しい“映画との出会い”をお楽しみください！

【ランキング投票方法】
水先案内人合計27名に2025年6月公開の「みた」映画の中からそれぞれがベスト3までを挙げていただき、1位：5点、2位：3点、3位：2点のポイントを付けたうえで集計したもの。対象は2025年6月1日～6月30日に日本で劇場公開された作品で、映画祭や特集上映での公開作、配信のみの作品、ライブビューイング、ブルーレイ・DVDのみでの発売作品は含みません。

ぴあ水先案内人27人が投票！
2025年6月公開の「みた」映画ベストテンはこちら！

1位

国宝

公開日：2025/6/6(金)

40pt

2位

F1／エフワン

公開日：2025/6/27(金)

32pt

3位

ラブ・イン・ザ・ビッグシティ

公開日：2025/6/13(金)

21pt

4位

メガロポリス

公開日：2025/6/20(金)

20pt

5位

MaXXXine マキシーン

公開日：2025/6/6(金)

14pt

同5位

フロントライン

公開日：2025/6/13(金)

14pt

7位

罪人たち

公開日：2025/6/20(金)

13pt

同7位

ルノワール

公開日：2025/6/20(金)

13pt

9位

中山教頭の人生テスト

公開日：2025/6/20(金)

10pt

10位

ラ・コシーナ／厨房

公開日：2025/6/13(金)

7pt

【ランキング総評】
2025年6月に日本で劇場公開された映画は92本。そのうち、ぴあ水先案内人の「みた映画ベスト3」に選ばれた作品は全部で33本。ランキングの集計結果は、上半期の掉尾を飾るのにふさわしい作品が並びました。

第1位となったのは『国宝』。幅広い年齢層から絶大な評価を受けただけでなく、興行ランキングでもトップが続く、まさに今年を代表しそうな作品。梨園以外の世界から歌舞伎の世界に飛び込み、熾烈な修行と試練を経て人間国宝まで昇りつめる役者の芸道ドラマ。「映画賞総なめか！」（笠井信輔）などの声とともに、8人が投票し、すべて1位選出という快挙でした。

続く2位は、こちらも評価、興行ともにすこぶる高い、ブラッド・ピット主演のモータースポーツドラマ。彼の存在感、レースシーンの臨場感は特筆ものです。「プロットも演出もキマっており、最高に心地よい。」（春日太一）というコメントのように、映画ツウをうならせる、久々にハリウッド映画の力を見せつけてくれた作品といえます。

3位は『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』。自由奔放でちょっとKYな女性と穏やかなゲイの男性ふたりのハートフルな関係を描いた韓国映画です。「生きづらさを抱えているふたりの痛みと友情の物語に胸を打たれた」（細谷美香）。この作品、2カ月前に発表した「6月のみたい映画」では、ランク外どころか、どなたも投票していない、いわばノーマーク。「観たらとてもよかった」映画、です。

7位に入った『罪人たち』も、公開が急に決まったこともあり、“投票なし”からベストテン入りした注目作です。全米で大ヒットした異色サバイバルホラー。ブルースがうまく使われていて、音楽好きの関心も集めています。「こんなのみつけちゃった！」の1本です。

→水先案内人が投票する、2025年6月公開の「これからみたい」映画ベストテン　へ

ぴあ水先案内人から寄せられた選出コメント

恩田泰子
映画記者（讀賣新聞）

2025年6月公開の「みた」映画ベスト3
① 中山教頭の人生テスト
② 罪人たち
③ 雪解けのあと
【選出コメント】
①は、学校ものとして出色、人間ドラマとしていとおしい。甘ったるさゼロ。叫ばない、うそを感じさせない感動作。②は豪勢な超自然映画。撮影フォーマット、極上ブルース、マイケル・Ｂ・ジョーダンの双子演技、自由をめぐる問いとお楽しみたっぷり。③は、親友を失った痛み、悔恨にとことん向き合った監督の心の軌跡に圧倒された。

笠井信輔
フリーアナウンサー

2025年6月公開の「みた」映画ベスト3
① 国宝
② F1／エフワン
③ ドールハウス
【選出コメント】
①これはバックステージ物ではなく、オンステージ物。映画賞総なめか！ ②大迫力。見たかったブラピがそこにいた。③こんなに面白くて、怖い作品なかなかない。

春日太一
映画史・時代劇研究家

2025年6月公開の「みた」映画ベスト3
① F1／エフワン
② メガロポリス
③ 親友かよ
【選出コメント】
①はとにかくブラッド・ピットがカッコいい。プロットも演出もキマっており、最高に心地よい。これぞハリウッド映画！ ②は他人の目を気にせずに自己満足を貫ききるコッポラの潔さに感服した。タリア・シャイアが元気そうなのを確認できたのも嬉しい。③は美談めいた青春劇をひっくり返す、終盤のたたみかけが鮮やか。

立川直樹
プロデューサー、ディレクター

2025年6月公開の「みた」映画ベスト3
① メガロポリス
② フォーチュンクッキー
③ アスファルト・シティ
【選出コメント】
実は『国宝』を観損なっているので、①は大決定だとしても①と②の間には投票数のような感じで考えると、かなり差があるので、どうしたものかと正直思う。評判のいい『F1／エフワン』も観ていない。ただそれにしても①は頂点を突き抜けた傑作。②や③がどう束になってかかってもかなわない。

中谷祐介
編集者（ぴあ）

2025年6月公開の「みた」映画ベスト3
① くまをまつ
② 舟に乗って逝く
③ 罪人たち
【選出コメント】
全編にわたって妙な緊張感が続く①は予想外の面白さでした。まだ観ていない方はぜひ。いわゆる“良い話やね”映画かと思って観に行ったらその美しさに驚いた②。③は吸血鬼は招かれた家にしか入れない、という設定をここまで上手く使った映画は観たことがなかった！ 70ミリプリントで観たかったなぁ。

夏目深雪
著述・編集業

2025年6月公開の「みた」映画ベスト3
① ラブ・イン・ザ・ビッグシティ
② おばあちゃんと僕の約束
③ 私は何度も私になる
【選出コメント】
アジアの女性パワーを表すランキング。①と③が女性監督、②も主人公は青年だが、彼が余命短い祖母との関わりの中で、人生の意味を見出す。①のKYな女性とゲイの男性が無二の親友になる設定。③はマレーシアのアート系旗手、タン・チュイムイの10数年ぶりの復帰作で監督自身が主演するアクション映画。要は全てに泣かされた。

細谷美香
映画ライター

2025年6月公開の「みた」映画ベスト3
① ラブ・イン・ザ・ビッグシティ
② かたつむりのメモワール
③ ルノワール
【選出コメント】
同性愛者であること、女性であること。男性社会のなかで生きづらさを抱えているふたりの痛みと友情の物語に胸を打たれた①。大好きなクレイアニメーション『メアリー＆マックス』の監督作②は虐待や宗教などダークでヘビーな要素も描きながら、最後には温かい希望が。言語化できない子供時代の記憶と、世代的に80年代のムードに浸れた③もランクイン。

水上賢治
映画ライター

2025年6月公開の「みた」映画ベスト3
① 年少日記
② 雪解けのあと
③ ラブ・イン・ザ・ビッグシティ
【選出コメント】
①②については劇映画とドキュメンタリーという違いはあるが、いずれも静かな語り口ながら、その人物の心の痛みが実感として痛切に伝わってきた。共に新人監督のニック・チェクとルオ・イシャンの名前は憶えておきたい。③は作品以上に、どんな役をやらせてもピタリとはまってくる主演のひとり、キム・ゴウンの演技に1票。

村山章
映画ライター

2025年6月公開の「みた」映画ベスト3
① カーテンコールの灯
② MaXXXine マキシーン
③ 見える子ちゃん
【選出コメント】
偏屈な中年オヤジが突然舞台でロミオを演じることになる①は、ポスターも邦題も作品の真価を覆い隠しそうになる地味さを助長してしまってる気がするが、超ハイレベルなヒューマンドラマとして超おすすめ。②は三部作の完結編として筋が通っていて痛快。③は主演の原菜乃華を撮りたい！って感じとウェルメイドさがとても良い。