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ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > 山田洋次監督特集 ③

©2013「東京家族」製作委員会 ©1977松竹株式会社 ©2002 松竹/日本テレビ/住友商事/博報堂DYメディアパートナーズ/日販/衛星劇場

こんにちは、山田洋次監督!
最新作『こんにちは、母さん』公開記念
“はじめて”の人のための山田洋次監督特集

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日本映画界を代表する名監督のひとり山田洋次監督の最新作『こんにちは、母さん』の公開がスタートした。本作は山田監督にとって記念すべき90本目の監督作品で、東京の下町に生きる人々のドラマ、家族の絆、笑い、社会からはじき飛ばされてしまった人々に向ける眼差しなど、これまでの山田洋次作品のエッセンスが凝縮されている。

そこで最新作の公開を記念して、“はじめて”の人のための山田洋次監督入門を掲載! 70年以上にわたって映画ファンを魅了し続けてきた山田洋次の世界を劇場と配信で存分に楽しんでほしい。

“4つのコース”山田洋次の世界に入門!
名女優:倍賞千恵子との仕事

『霧の旗』(1965)

©1965 松竹株式会社

出演:倍賞千恵子/露口茂/金子信雄/新珠三千代/滝沢修/川津祐介/近藤洋介/市原悦子/内藤武敏

松本清張の長編小説を、名脚本家・橋本忍が脚色して映画化したサスペンス。主人公の桐子は、老婆殺しに巻き込まれ逮捕された兄のために奔走するが、貧しさから高名な弁護士に弁護を断られてしまう。兄が死刑になった後、弁護士が事件の核心を握っていたことを知った桐子は、復讐に燃える。倍賞は沸騰しそうなほどの怒りをあえて無表情の演技で表現。様々な秘密や後ろめたさを抱えた登場人物たちの思惑が交差していくドラマに唸る。

『愛の讃歌』(1967)

©1967 松竹株式会社

出演:倍賞千恵子/中山仁/小沢昭一/北林谷栄/千秋実/有島一郎/伴淳三郎 

瀬戸内海に浮かぶ島の港を舞台にしたラブストーリー。孤島の波止場にある土産屋では恋人の竜太と春子が共に働いているが、竜太は新天地ブラジルにわたってしまう。春子はすでに竜太の子を身ごもっていて……。竜太、春子、そして島の診療所の医師らが夢や恋を追い、時に挫折し、翻弄される様を描き出していく。中山仁と倍賞千恵子が竜太と春子が演じるほか、有島一郎がクリスチャンの医師・伊作を演じている。脚本は山田洋次と森﨑東。

『家族』(1970)

©1970 松竹株式会社

出演:倍賞千恵子/井川比佐志/笠智衆/前田吟/春川ますみ/花沢徳衛/森川信/ハナ肇/渥美清 

長崎県の伊王島から開拓のために北海道に移住することになった一家の物語をドキュメンタリータッチで描いたロードムービーの傑作であり、山田監督の初期の代表作のひとつ。倍賞千恵子、井川比佐志、笠智衆らが出演するほか、渥美清や三崎千恵子らも顔を見せる。劇中には撮影時開催中の万国博覧会や上野公園など当時の日本の風景も描き出される。本作と『故郷』『遙かなる山の呼び声』はいずれも倍賞が出演し、同じ役名であることから民子3部作と呼ばれ、映画ファンから愛されている。

『故郷』(1972)

©1972 松竹株式会社

出演:倍賞千恵子/井川比佐志/渥美清/前田吟/田島令子/矢野宜/阿部百合子/笠智衆

瀬戸内海の小島で石の運搬をして生計を立てている精一と民子の夫婦は、船の不調や高度経済成長の波に飲まれて苦境に立たされる。愛する故郷で暮らし続けたい気持ちはあるが、新天地への期待と憧れもあり、夫婦は故郷を捨てるか岐路に立たされる。倍賞千恵子と井川比佐志が『家族』に続いて夫婦を演じた。ロケ地に長期滞在し、ドキュメンタリータッチの撮影が行われるなど『家族』と続けて観ることで発見の多い作品でもある。

『同胞(はらから)』(1975)

©1975 松竹株式会社

出演:倍賞千恵子/寺尾聰/大滝秀治/井川比佐志/下條アトム

岩手県の小さな村を舞台に、青年会の若者たちが東京の劇団のミュージカル公演を成功させようと奔走する姿を描く青春ドラマ。寺尾聰が酪農を営む青年団長を、倍賞千恵子が東京の劇団「統一劇場」のメンバーを演じる。公演費用の捻出、村の理事会での対立、チケットを売り切る苦労など次々に難題が降りかかるが、若者たちは情熱を注いで難局を乗り越えていく。実話が基になっており、モデルになった「統一劇場」が公演シーンに出演している。

『幸福の黄色いハンカチ』(1977)

©1977松竹株式会社

出演:高倉健/倍賞千恵子/桃井かおり/武田鉄矢/渥美清

米国紙に掲載されたコラム記事にインスパイアされて製作されたロードムービーの傑作。刑期を終えて、網走刑務所から妻のもとへ向かう男の姿を描く。昭和の映画史を代表するスター、高倉健が主演を務め、武田鉄矢と桃井かおりが主人公と旅を共にする若者を、倍賞千恵子が主人公の妻を演じる。映画ファンの間で屈指の名シーンと称されるラストだけでなく、旅の道中のエピソード、風景の細部まで見事な完成度で、日本映画史に残る名作としてドラマ化も多く、海外でもリメイクされた。

『遙かなる山の呼び声』(1980)

©1980 松竹株式会社

出演:高倉健/倍賞千恵子/吉岡秀隆/武田鉄矢/ハナ肇/渥美清/畑正憲

山田監督が敬愛する映画『シェーン』の主題曲の邦題から着想を得て製作された感動作。北海道で女手ひとつで息子を育てながら酪農を営む女性・民子と、彼女の前に突然現れた謎の男・田島の物語を四季の移り変わりとあわせて描き出していく。高倉健が田島を、倍賞千恵子が民子を演じるほか、吉岡秀隆、武田鉄矢、ハナ肇らが出演。渥美清も友情出演している。モントリオール世界映画祭で審査員特別賞に輝いた。