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シャマラン映画に“名優”あり! ジョシュ・ハートネットの魅力に迫る

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ジョシュ・ハートネットがM・ナイト・シャマラン監督の新作映画『トラップ』で主演を務めている。毎回、観客の予想を裏切る展開とサプライズで注目を集めるシャマラン映画だが、人気俳優、名優たちが集う“俳優を見る楽しみ”のある映画でもある。

最新作もジョシュ・ハートネットの怪演が最大の見どころで、シャマラン監督は「この映画を観る大きな理由のひとつは、ジョシュの素晴らしい演技を観ることだ」と断言する。集大成的な映画『トラップ』を手がけることになったシャマランはなぜ、主演にハートネットを迎えたのだろうか?

ブルース、メルギブ、ホアキン……シャマラン映画俳優を振り返る

『シックス・センス』撮影中のブルース・ウィリスとシャマラン
Photo:AFLO

シャマランの映画では現実ではあり得ない不思議なことが起こる。想像を絶する事態が待っている。そしてそれらは多くの場合、目には見えない。そのため、想像力が豊かで、演技だけで“見えない恐怖と緊張感”を観客に与えることができる名優が必要になる。

シャマラン映画と名優、と聞いて多くの人がまず思い出すのは、ブルース・ウィリスではないだろうか? シャマランの出世作『シックス・センス』に主演した当時、ウィリスは『ダイ・ハード』で人気を博し、『アルマゲドン』を大ヒットさせたばかり。しかし、彼は本作でアクションを封印し、不思議な現象が見える“第六感=シックス・センス”を持つ少年と行動を共にする小児精神科医を演じ、高評価を獲得。翌年には『アンブレイカブル』で再びシャマランとタッグを組んだ。

2002年製作の『サイン』ではメル・ギブソンが主演を務めた。ワイルドな役どころの多いギブソンだが、本作では妻を失って信仰を捨てた牧師の役。その弟をホアキン・フェニックスが演じ、彼は続く『ヴィレッジ』でもシャマランとタッグを組んだ。

2013年の『アフター・アース』では、ウィル・スミスとその息子ジェイデンとタッグを組んだほか、サミュエル・L・ジャクソン、ブライス・ダラス・ハワード、エイドリアン・ブロディ、シガニー・ウィーバー、ポール・ジアマッティ、マーク・ウォールバーグ、ジェームズ・マカヴォイ、デイヴ・バウティスタなど、シャマランがタッグを組んだ人気俳優は数知れず。

彼らほどの人気俳優になると、出演作を選ぶ目も厳しい。シャマランは様々な監督とタッグを組んできた俳優から信頼を獲得し続けているとも言える。

シャマラン映画に名優あり。映画ファンは覚えておきたいところだ。

シャマランが信頼を寄せる俳優ジョシュ・ハートネット

『トラップ』撮影中のジョシュ・ハートネット(左)とM・ナイト・シャマラン(右)

そんな“シャマラン名優列伝”に新たに加わったのが、ジョシュ・ハートネットだ。

『パラサイト』『パール・ハーバー』『ブラックホーク・ダウン』などに出演し、若手スターとして注目を集めた彼は、その後も着実にキャリアを積み、映像の世界だけでなく舞台でも活動する才人だ。昨年公開された映画『オッペンハイマー』では主人公の大学の同僚でもある実験物理学者アーネスト・ローレンスを演じており、演じる役の幅も年齢を重ねる中で広がっている。

ジョシュがシャマラン映画に出演するのは初だが、ふたりは2004年製作の『ヴィレッジ』の頃から知り合いだったという。そこから約20年の時を経てついにタッグが実現したが、ハートネットはシャマラン映画をすべて観ていたそうで「彼は現代の映画界で、本当に独創的な映画製作者のひとりで、優れたコンセプトと卓越した技術で作品を作り続けている」と語る。

シャマラン監督は「私は、人生において、ちょうどいい位置にいて、本当のリスクを取ることを厭わない人物を探した。挑戦的な映画なら、観客は珍しくて凄いものを観ることができるし、映画を観に行く新しい理由になると思う。ジョシュ・ハートネットはまさに、この表現にぴったり当てはまる人物だった」と振り返る。

監督が語るとおり、本作でハートネットが演じるクーパー役は挑戦的で、まだ誰も観たことのない役だ。映画の冒頭、クーパーは娘を溺愛する平凡なお父さんとして登場する。消防士をしながら家族を愛し、娘が好きなアーティストのライブチケットをとって一緒に出かける優しい父親。ライブを前にハイテンションの娘の笑顔を見ていると、自然と自分も笑顔になる中年男。

しかし、劇中で彼は警察が全力をあげて追っている切り裂き魔だと分かる。クーパーは人の命を簡単に消し去る恐ろしい人物で、その行動は冷静。自分が罠にかかったと知っても、無駄に動揺したりすることはなく、着実に状況を把握し、相手の一歩先を読み、うまく立ち回りながら危険を回避する。そして、自分が脱出するためなら……手段は選ばない。

本作の最大の魅力はクーパーがふたつの顔を“分かりやすく”演じ分けないことだ。クーパーは変身するように父と切り裂き魔になったりはしない。優しい父親の顔のまま罠から脱出するために動き、恐ろしい切り裂き魔のまま愛する娘のために売店に向かう。ふたつの顔がひとつの行動の中に同居している。境界線が曖昧で、お父さんなのか凶悪犯なのかパッと見では判断できない。

この複雑な演技をジョシュ・ハートネットは見事に体現している。繊細にして大胆、柔和だけど鋭い表情……彼のキャリアのピークポイントを叩きだす名演技を本作で堪能することができるはずだ。

若手キャストが躍進。シャマランの“抜擢力”

人気俳優、名優が数多く出演する一方、シャマラン映画には、その後の映画界を牽引する若手俳優が出演し、観る者の心を捉えてきた。

ハーレイ・ジョエル・オスメントが『シックス・センス』に出演したのは彼がまだ11歳のとき。大スターのブルース・ウィリスと互角に渡り合った彼は天才子役として話題を集め、その年のオスカー助演男優賞の候補に。『サイン』でメル・ギブソン演じる主人公の娘を演じたアビゲイル・ブレスリンは本作が映画デビュー。公開時はまだ6歳だったが、謎めいた少女ボーを演じて注目を集め、4年後には『リトル・ミス・サンシャイン』の演技でオスカー候補になった。

『スプリット』で誘拐された3人の少女のひとりを演じていたのは、まだ駆け出しだったアニャ・テイラー=ジョイ。想像を絶する恐怖の中でビーストと立ち向かい、やがて自らの壮絶な過去をビーストに打ち明ける重要な役で、映画が公開されると注目の的に。その後、続編『ミスター・ガラス』にも同役で出演し、『クイーンズ・ギャンビット』『ラストナイト・イン・ソーホー』などで人気が急上昇。今年は『マッドマックス:フュリオサ』でタイトルロールを務めた。

シャマラン作品は子どもや家族が登場する作品が多く、必然的に若い俳優を起用することになるが、彼の“抜擢力”の高さは彼が起用してきた若手キャストのその後を見るだけで明らかだ。シャマラン監督は「私が一緒に仕事をする子役のほとんどは、それほど技術を必要としない。どちらかというと、純粋な自然のままのエネルギーで演技してもらうことが多い。私は彼らにキャラクターに共感してもらい、彼らを導いていく」と説明する。

キャリアが浅く、まだ若い演技者の“自然のままのエネルギー”の高さを見抜く力が、シャマランには宿っているようだ。

そんな彼が最新作で抜擢したのが、オーストラリア出身のアリエル・ドノヒュー。2010年生まれの彼女は本作で、ジョシュ・ハートネット演じる主人公クーパーの娘ライリーを演じている。本作は人気歌手のライブ公演という“罠=トラップ”にハマり込んだ主人公クーパーが、状況を打開するべく騙し合いゲームを繰り広げるサスペンスで、ドノヒュー演じるライリーは父の正体を知らないままライブ会場に足を運び、ステージに夢中になっている。

つまり、彼女もまた知らず知らずのうちに罠にハマった主要キャラクターのひとりでもある。さらに彼女はライブに連れてきてくれた父が、社会を震撼させる切り裂き魔だとは知らない。父と一緒にライブにやってきた天真爛漫な少女は、この物語で起こる異変にいつ気づくのか? 父の“もうひとつの顔”をどこで知るのか? ライリーの行方と、アリエル・ドノヒューの演技にも注目だ。

最後にシャマラン映画の常連俳優を紹介したい。彼の映画にいつも何かしらの役どころで出演し、観客にインパクトを残す俳優。その名は、M・ナイト・シャマランだ。彼はヒッチコック映画のオマージュ……以上の目立つ&大きな役どころで自作に出演している。ある時は医師の助手、ある時は運転手、そしてある時は物語のカギを握るアパートの住人。シャマラン映画で彼が登場するのを楽しみにしている人も多いのではないだろうか。

もちろん、『トラップ』にもシャマランは“俳優”として登場する。どんな役どころになるかは見てのお楽しみだが、本作では物語の進行上、欠かすことのできない重要な役で姿を現す。

『トラップ』
10月25日(金)公開
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