新しい“映画との出会い”がきっとある！
月イチ！“ぴあテン”ランキング
2025年10月公開の「みた」映画ベストテン！

エンタメの出会いと発見を提供する「ぴあアプリ＆Web」のランキング企画『月イチ！“ぴあテン”ランキング』！　「ぴあアプリ＆Web」でいつも映画のレビューを執筆していただいている「水先案内人」合計27名の皆様に、2025年10月公開の「みた」映画の中から特に良かった作品、好きだった作品、高く評価している作品を投票していただいたベストテンを発表します！

本企画は、毎月中旬頃に発表。同じく「水先案内人」の皆様に聞いた「これからみたい」映画ベストテンも、毎月末～翌月初旬に発表しています。ふたつのランキングで、映画ツウたちがみた上で高く評価した作品や期待している作品をチェックして、新しい“映画との出会い”をお楽しみください！

【ベストテンとは】
水先案内人合計27名に2025年10月公開の「みた」映画の中からそれぞれがベスト3までを挙げていただき、1位：5点、2位：3点、3位：2点のポイントを付けたうえで集計したもの。対象は2025年10月1日～10月31日に日本で劇場公開された作品で、映画祭での公開作、配信のみの作品、ライブビューイング、ブルーレイ・DVDのみでの発売作品は含みません。

ぴあ水先案内人27人が投票！
2025年10月公開の「みた」映画ベストテンはこちら！

1位

ワン・バトル・アフター・アナザー

公開日：2025/10/3(金)

47pt

2位

爆弾

公開日：2025/10/31(金)

20pt

3位

フランケンシュタイン

公開日：2025/10/24(金)

18pt

4位

ハウス・オブ・ダイナマイト

公開日：2025/10/10(金)

13pt

5位

秒速5センチメートル

公開日：2025/10/10(金)

12pt

同5位

愚か者の身分

公開日：2025/10/24(金)

12pt

7位

グランドツアー

公開日：2025/10/10(金)

10pt

同7位

さよならはスローボールで

公開日：2025/10/17(金)

10pt

同7位

火の華

公開日：2025/10/31(金)

10pt

10位

ジュリーは沈黙したままで

公開日：2025/10/3(金)

8pt

同10位

ホウセンカ

公開日：2025/10/10(金)

8pt

同10位

ミーツ・ザ・ワールド

公開日：2025/10/24(金)

8pt

同10位

女性の休日

公開日：2025/10/25(土)

8pt

【ベストテン総評】
2025年10月に日本で劇場公開された映画は116本。そのうち、ぴあ水先案内人の「みた映画ベスト3」に選ばれた作品は全部で38本でした。

集計の結果、大差をつけて第1位に輝いたのはレオナルド・ディカプリオ主演の『ワン・バトル・アフター・アナザー』！約2ヶ月前に発表した「みたい映画」では38ポイントでしたが、今回の「みた映画」は47ポイントを獲得、“期待度”を“満足度”がさらに上回ったといえます。「痛快なまでのアクの強いキャラを名優たちが演じる面白さ」（伊藤さとり）、「カーアクションのシーンも独創的で大満足！」（相馬学）など、絶賛の声が寄せられました。

第2位は、東京を震撼させる連続爆破事件を描いたサスペンス『爆弾』。容疑者役・佐藤二朗と刑事役・山田裕貴の「取調室の攻防が深くて鮮烈」（真魚八重子）なうえ、爆破シーンもなかなかの迫力。「エンタメと社会的メッセージのバランスのすべてが完璧。圧倒されました」（イソガイマサト）、と見応え充分な1本です。

3位と4位には、劇場公開後すぐにNetflixでの配信が決まっている2本が選ばれました。ともに、「みたい映画」ではランク外だった作品。

3位は、『シェイプ・オブ・ウォーター』の鬼才ギレルモ・デル・トロ監督が古典的ゴシックホラーにチャレンジした『フランケンシュタイン』。「原作の持つ先見性まで描き秀逸」（中川右介）、「フランケンシュタイン映画の金字塔！」（植草信和）と高評価コメントが多数届きました。

4位の『ハウス・オブ・ダイナマイト』は、正体不明の核ミサイルがアメリカに向けて飛来するという危機を描いたサスペンス。『ハート・ロッカー』などで知られる女性監督キャスリン・ビグローの作品です。

→水先案内人が投票する、2025年10月公開の「これからみたい」映画ベストテン　へ

ぴあ水先案内人から寄せられた選出コメント

イソガイマサト
フリーライター

2025年10月公開の「みた」映画ベスト3
① 爆弾
② 3つのグノシエンヌ
③ ミーツ・ザ・ワールド
【選出コメント】
①俳優陣の絶妙な芝居と高精度の映像設計、エンタメと社会的メッセージのバランスのすべてが完璧。圧倒されました。②江戸川乱歩の世界を現代を舞台に再構築した、ウエダアツシ監督の才能に惚れ惚れ。今年いちばんの収穫！ ③新宿歌舞伎町で生きる若者たちの息吹きをリアルに映し出していて、興味深かった。新星・南琴奈も魅力的。

伊藤さとり
映画パーソナリティー

2025年10月公開の「みた」映画ベスト3
① ワン・バトル・アフター・アナザー
② さよならはスローボールで
③ 火の華
【選出コメント】
①痛快なまでのアクの強いキャラを名優たちが演じる面白さ。しかも車の追跡シーンなんて映画史に残る構図だった！ ②タイプ違いのオジサンが最後の草野球をさまざまな思いで楽しむだけなのに面白い。音の付け方もウィットに富んでいる。③『JOINT』の時から小島監督の才能を確信。社会への痛烈なメッセージを芸達者な俳優陣と紡いだ力作。

植草信和
フリー編集者（元キネマ旬報編集長）

2025年10月公開の「みた」映画ベスト3
① フランケンシュタイン
② バレンと小刀　時代をつなぐ浮世絵物語
③ ハウス・オブ・ダイナマイト
【選出コメント】
①は渇望したデル・トロ監督の待望の新作。面白いだけでなく対象への愛があふれている傑作。フランケンシュタイン映画の金字塔！ ②は浮世絵が現代人を魅了しているのは、伝統を支えている人たちのお陰だと教えてくれた傑作ドキュメンタリー映画。③は画竜点睛を欠いているが、全編に流れるビグロー監督ならではの緊迫感は捨てがたい。

相馬学
フリーライター

2025年10月公開の「みた」映画ベスト3
① ワン・バトル・アフター・アナザー
② 爆弾
③ ロードゲーム
【選出コメント】
①ポール・トーマス・アンダーソン、久々のダメ男映画にして、今の世の中を俯瞰した傑作。カーアクションのシーンも独創的で大満足！　②日本で『ジョーカー』が作られるなら、どんな映画になるのだろう？　そんな問いに答を出してくれたことに感謝。③『マッドマックス』直後、80sオーストラリア製アクションスリラーの至宝。

中川右介
作家、編集者

2025年10月公開の「みた」映画ベスト3
① フランケンシュタイン
② ミーツ・ザ・ワールド
③ 愚か者の身分
【選出コメント】
①は怪物映画としてワクワクさせながら、科学の暴走や排外主義とかフェミニズムとか、原作の持つ先見性まで描き秀逸。②と③は現代の歌舞伎町を舞台にし、主要人物が3人という点で共通するが、まるで違う世界。どちらも俳優陣がナチュラルな演技で、“いまの若者”を描ききっている。

堀晃和
ライター（元産経新聞）、編集者

2025年10月公開の「みた」映画ベスト3
① 七人の侍〈新4Kリマスター版〉
② 劇場版総集編ガールズバンドクライ【前編】青春狂走曲
③ アフター・ザ・クエイク
【選出コメント】
①公開当時（昭和29年）の劇場にいるような新鮮な感覚だった。新たな修復作業で魅力がさらに上がった。鮮烈な映像だった。侍たちの瞳が美しい。②CGアニメを忘れさせるような滑らかな映像。少女の繊細な胸の内を浮かび上がらせる演出と大迫力の音響に、感情を強く揺さぶられる。③村上春樹原作の実写映画。時代と場所を越えてつむがれる人生模様と不思議な感覚の映像美に酔いしれた。

真魚八重子
映画評論家

2025年10月公開の「みた」映画ベスト3
① 愚か者の身分
② ジュリーは沈黙したままで
③ 爆弾
【選出コメント】
①は半グレとされる青年たちの間の友情と絆を描いていて熱かった。特に綾野剛の危険な反旗の翻し方に痺れる。②は自分の感性で状況を把握していく少女の、遠巻きな心理の動きが興味深かった。③は取調室の攻防が深くて鮮烈だった。天才同士の駆け引きゆえに、実は難解で振り落とされそう。爆破シーンも怖かった。

村山匡一郎
映画評論家

2025年10月公開の「みた」映画ベスト3
① グランドツアー
② 女性の休日
③ 火の華
【選出コメント】
1910年代末のアジア諸国を背景に追う女と追われる男というシンプルな物語の①は、その自由で幻想的な映像世界が刺激的。②はジェンダー平等を誇るアイスランドの歴史を焦点に、ストライキが労働者ばかりか女性の権利でもあることを見事に証明。③は戦場で銃火を交えるという政治的にも個人的にも重いテーマをリアルに問いかけて秀逸。

よしひろまさみち
映画系ライター

2025年10月公開の「みた」映画ベスト3
① ワン・バトル・アフター・アナザー
② トロン：アレス
③ ローズ家～崖っぷちの夫婦～
【選出コメント】
①PTA＆レオの映画かと思いきや、新人お披露目＆ショーン・ペンの狂気の傑作だった。最高。②物語はペラッペラで既視感バリバリだけど、NINの音楽とジャレッド・レトの芝居に感激。これまた最高。③イギリス式夫婦喧嘩は口撃の連続。罵詈雑言を丁寧にいわれると、もはやギャグということが分かりました。最高。