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圧倒的スケールに震える! “本物”しかない撮影現場に迫る

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今秋最大の話題作『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』がついに11月15日(金)から公開になる。本作はローマ帝国を舞台に、ひとりの男が剣闘士=グラディエーターとして壮絶な戦いを繰り広げる様を描いているが、その撮影規模はとにかく壮大で、圧倒的な光景が次々に登場する。

デジタル技術全盛のいま、あえて“実物”にこだわって描き出された本作の魅力に迫る。

すべてが本物! 最大の撮影規模で描かれるローマ

『グラディエーターII』の舞台は、今から2000年ほど前のローマ帝国。当然ながら自動車も電線もなければ、空には飛行機も飛んでいない。通常の映画でカメラを向けて映る“ほぼすべて”が存在しない時代だ。そこで通常であれば、CGの力を駆使して背景を描き、撮影スタジオで撮影したものと合成し……となるが、本作は可能な限り実際にセットを組み、“実物”にこだわって撮影が行われた。

ロケが行われたのはモロッコとマルタだ。リドリー・スコット監督は長年、共に映画づくりをしてきたプロダクションデザイナーのアーサー・マックスやチームを招集した。監督とこれまでに何度も大規模な撮影をしてきたマックスでさえ「本作の撮影の規模は圧倒的だった」と語る。

「モロッコでは、エキストラのヘアメイクのためだけに80以上の巨大なテントがあり、無数の小道具や衣装を収容しました。マルタでは、アリーナ、宮殿、古代ローマ全域を組み立てました。馬に乗った等身大のペドロ・パスカルの像もあった。グリーンバックとAIの世界では、これは映画における最後の偉大な建造物になるかもしれない」

本作のために建てられたローマのセットの全長は約8キロ! 世界中から手に職のあるメンバー約1000人が集められ、ローマ帝国が再現されたのだ。ここまでの規模の撮影はこの先、実現することはないかもしれない。

これまでに数々の超大作映画に出演してきたデンゼル・ワシントンでさえ、本作は“最大規模の映画”だという。

「リドリーは戦闘シーンに100人ではなく、1000人もの男を使っている。馬は20頭じゃない。400頭もの馬がいる。この作品では、どこを見てもローマの世界なんだ。美しい衣装や鮮やかな色彩に身を包み、剣や盾を持った何千人もの兵士たちや馬との撮影現場は、私にとって映画以上のものに思えた。それ自体がひとつの世界なんだ」

カメラの後ろは現代の風景とか、メイキングを見たら背景はグリーン一色だった、という映画が多い中、本作の“実物”に対するこだわりは破格と言っていい。

こんな映画これまでになかった。こんな映画はこの先にもない。『グラディエーターII』の世界は“本物”であふれている。

“本物の環境”が俳優の名演を引き出す

なぜ、本作はここまで実物のセットや衣装にこだわるのか? 理由は俳優たちから最高のパフォーマンスを引き出し、最も美しいビジュアルで物語を描くためだ。

本作で皇帝カラカラを演じたフレッド・ヘッキンジャーは「リドリーの撮影の素晴らしいところは、俳優の周囲360度すべてにに完璧なセットが組んであることです」と力説する。

「彼は俳優にとって完璧な環境を整えてくれて、そこに俳優を招き入れて、さぁこの世界に入ってきてください、ここで演じてくださいと言ってくれる。俳優にとってこんなにも理想的で贅沢な現場はありません」

デンゼル・ワシントンもヘッキンジャーと同意見だ。

「リドリーの撮影手法で興味深いのは、彼はロングレンズを使うことです。だから俳優の顔のアップを撮影している時でもカメラは遠くにいて、俳優はその世界にいること、演技をすることに集中できるんです。リドリーが本作の主演にポール・メスカルを選んだのも、彼が演劇の世界でトレーニングを積んできたからだと思います」

すべてが実物で、カメラが遠くにある状態で演技する。俳優は演劇の舞台上にいるような状態で役に没入し、切れ目なく演技し、その一部始終を複数のカメラで撮影する。本作の迫力のある演技はこのような壮大な環境によって生まれたものだ。

俳優とカメラはローマ帝国の真っ只中に放りこまれたような状態で撮影が始まり、そこで得られた映像によって観客はローマ帝国に誘われる。プロデューサーのマイケル・プルスは本シリーズを観ていると「自分が歴史の中にいるような気持ちになる」と語る。

「前作『グラディエーター』を観たときのことは今でも忘れません。まるで自分がローマのコロセウムにいるような感覚になりました。まるで自分が歴史の中にいるような気持ちになるんです」

本作が描く圧倒的な没入感と、俳優の名演、それらは製作陣の“本物”へのこだわりが導き出したものだ。

決死のバトルはこうして生まれた!

そして本作で誰もが楽しみにしている白熱のバトルシーン。これも可能な限り本物が準備され、名優たちの“ガチ”バトルが繰り広げられる。

主人公ルシアスを演じたポール・メスカルは、ラグビーの経験者で本作のために徹底的なトレーニングを敢行した。

「あらゆる実践的な要素があった。ジムに通い、ウェイトトレーニングをし、ランニングをし、ある一定の方法で食事をし、これらすべてをやっていた。トレーニングは、準備段階で確実にできるものだった。リドリーの興味は、彼が雇った俳優の才能だけだ。僕らはただそこに飛び込むしかないんだ」

劇中で彼は熾烈な合戦を戦い、コロセウムで剣を手に戦いに臨み、ついにはペドロ・パスカル演じるアカシウスと死闘を繰り広げる。

さらに劇中では、サイに乗り重武装した剣闘士との戦いも描かれる。このシーンは前作『グラディエーター』製作時に構想されるも当時の技術的・環境的な限界で実現しなかった“幻のバトル”だ。

このサイは、もちろんフルCGではなく、特殊効果と人工装具のチームが総力を結集してつくりあげた“機械サイ”だ。スコット監督が「簡単な作業ではなかったが、見栄えは最高だ」と語るサイは、逃げ場のないコロセウムを縦横無尽に突進し、ルシアスら剣闘士を追い詰めていく。

そして本作には“水上戦”まで登場する。

コロセウムに水が張られ、そこで2艘の船に乗った剣闘士たちがバトルを繰り広げるのだ。水中にはどう猛なサメがおり、船から落ちたら一巻の終わり。船上では剣が、水中ではサメが襲ってくる緊迫感マックスの戦いだ。

このシーンも当然のように“実物”が用意された。水はデジタルで描かれたが、撮影現場には巨大な船が2艘用意され、スタッフが“野獣(ビースト)”と呼ぶ巨大な油圧機械を使って船を縦横無尽に動かし、剣闘士たちを揺さぶった。このシーンはスタントコーディネーターにとって本作で最も困難なシークエンスのひとつだったという。

もちろん万全な安全対策がとられているが、“本物”に囲まれた状態で繰り広げられる数々のバトルは“演技”を超えた緊迫感を生み出している。

『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』
11月15日(金) 公開
(C)2024 PARAMOUNT PICTURES.