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革新に次ぐ革新! ロバート・ロドリゲスという類まれな才能

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ベン・アフレックが主演を務める超大作『ドミノ』は、鬼才ロバート・ロドリゲス監督が20年という年月をかけて構想し、自分の手で映画化を熱望した渾身の一作だ。

アメリカ映画界きってのヒットメイカーでありながら、常に“我が道”を歩み続けるロバート・ロドリゲス。彼のキャリアを振り返ることで、最新作『ドミノ』の魅力に迫る!

ロバート・ロドリゲスのあゆみ

1968年に米テキサスで生まれたロバート・ロドリゲスは、11歳のときにカメラを手にしたことから映画づくりを開始。高校時代からビデオで映画をつくりはじめ、大学生になっても短編映画で腕を磨いた。転機が訪れたのは1992年。友人が集めた資金と治験薬のバイトで貯めた金、約7000ドルを元に完成させた長編『エル・マリアッチ』が好評を集めたのだ。サンダンス映画祭で観客賞を受賞し、さらなる仕上げ作業を経て全世界で公開された。

1995年にはその続編『デスペラード』が大ヒット。息もつかせぬアクションとケレン味たっぷりの映像が映画ファンから絶賛され、映画の冒頭には親友でもあるクエンティン・タランティーノも登場した。

その後も彼は次々と新作を発表していく。小さな子どもたちが秘密道具を手に大活躍する映画『スパイキッズ』でファミリー層から支持を得たかと思えば、吸血鬼と血みどろの銃撃戦を繰り広げる『フロム・ダスク・ティル・ドーン』や、ゾンビと片足マシンガンの主人公が対決する『プラネット・テラー』など、ジャンル映画の魅力をアップデートするコアな作品も発表。

『グラインドハウス』では盟友タランティーノと競作、タランティーノは『デス・プルーフ』、ロドリゲスは『プラネット・テラー』を監督

さらに2018年には、長年にわたってジェームズ・キャメロンが温めてきたプロジェクトを託され、『アリータ:バトル・エンジェル』を完成させた。最新のデジタル技術とアクションが融合した壮大な作品で、ロドリゲス監督の演出力の高さを改めて世界に見せつけた。

ロドリゲス監督がキャリアの中で扱ってきたジャンルは多岐にわたっている。アクション、バイオレンス、ファンタジー、SF、キッズ映画、ホラー、ハードボイルド……しかし、そのどれもがパッと観ただけで“ロドリゲス作品”だと分かる強烈な個性を持っている。最新作『ドミノ』で彼は初めてヒッチコックタッチのサスペンスに挑んでいるが、本作も映画ファン安心の“ロドリゲス・クオリティ”。常に映画好きを驚かせ、楽しませてくれる男なのだ。

“血”の通った映画づくり

彼の最大の特徴は、可能な限り“自分の手”で映画がつくろうとすること。

多くの映画監督はアマチュアの頃は自分でカメラをまわすが、監督デビュー後はプロの撮影監督とタッグを組むことが多い。しかし、ロドリゲス監督はなんと撮影の腕もプロ級。多くの自作で自らカメラをまわし、自分で編集し、ついにはテーマ曲まで作曲してしまう!

ロドリゲスは“監督”ではなく“映画づくり”のプロフェッショナル。必要であればペンを手にスクリプトを書き、カメラもギターも自在に操る。その結果、完成した彼の映画は、作品の構想時の熱量が失われることなく、そのままスクリーンに刻まれている。自分で編集もするので撮影にはムダがない。すべての工程を把握しているので、シーンの密度が高く、新しいことや、ちょっとしたチャレンジもしやすい。そこにロドリゲス作品の密度の高さと熱さの秘密がある!

『フロム・ダスク・ティル・ドーン』撮影現場でギターを奏でるロドリゲス

さらに彼は地元オースティンに自分のスタジオを所有しており、仲間たちと自由に撮影できる環境も手にしている。映画会社の重役に見張られながら“仕事”として撮影するのではなく、まるでバンドでセッションをするようにアイデアを出し合いながら映画をつくりあげていく彼の手法は俳優の間でも好評で、名優ロバート・デ・ニーロはそのウワサを聞きつけて「ロバート・ロドリゲス体験が最高だと聞いてきた」と自ら映画『マチェーテ』への出演を志願したという。

なお、最新作『ドミノ』も、彼の“トラブルメーカー・スタジオ”と地元で撮影が行われ、ロドリゲス監督は自らカメラを担ぎ、編集も行なった。さらに制作には彼の息子たちも参加。次男は撮影現場でプロデューサーを務め、三男は作曲を担当、四男は製作準備に使う動画コンテを制作したという。

映画『ドミノ』には作り手たちの“血”がしっかりと通っているのだ。

常に“革新”を求め続ける男、ロドリゲス

さらに彼はキャリアの初期の段階から映画づくりにデジタル技術を導入し、常に映画の“革新”を試みてきた。

まだフィルム撮影が全盛だった2002年には早くも『スパイキッズ2 失われた夢の島』でデジタル撮影を導入。翌年にはジェームズ・キャメロンからカメラを借り受けて『アバター』より6年も早く3D映像を実現させた。

2005年に行われた3Dについてのディスカッションでキャメロンとともに質問に答えるロドリゲス

その後も『シン・シティ』ではグリーンバックとデジタル技術を駆使して、白黒のグラフィックノベルのタッチをそのまま実写化する方法を開発。『スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション』では立体映像だけでなく観客に“匂いカード”を配布して、3Dならぬ“4D”でアドベンチャーを描いた。

彼はキャリアを通して新たなテーマ、ストーリーだけでなく“新たな映画の作り方”も研究し、追求してきた。自分でスタジオを持ち、自分で撮影も編集も作曲もできる。さらに彼は絵も得意。自分でイメージを描き、それをどうやって映像化するか“その方法”も含めてゼロから考えていく。その結果、彼の映画は他のどの監督とも似ていない“唯一無二”なものになるのだ。

『ドミノ』撮影中のロドリゲス

最新作『ドミノ』も革新的な映像が次から次に出現する。天地がひっくり返ったような世界で空を列車が群れをなして走行するシーンがあれば、建物が丸ごとスッと並行に移動したり、一瞬にしてバラバラと崩れたりする。スクリーンに現れるすべてのイメージが観客を驚かせるだろう。そして、そのシーンのすべてに何かしらの罠やトリック、伏線が仕掛けられているという。

ストーリーの斬新さも相まって本作はそのすべてが“これまで誰も観たことのないもの”になっている。これこそがロバート・ロドリゲス監督が長年にわたって追求したビジョンの結晶なのだ。

『ドミノ』
10月27日(金)公開
(C)2023 Hypnotic Film Holdings LLC. All Rights Reserved.
Photo:AFLO