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Vol.6『唄う六人の女』
俳優・桃果にインタビュー!

TOHOシネマズが“いま、気になる映画・映画人”をピックアップする特集「TOHOシネマズ・ピックアップ・シネマ」が12月4日(月)に行われ、『唄う六人の女』で“見つめる女”を演じた俳優の桃果が登場した。

モデルやCM出演などでも活躍する彼女は近年、ドラマや映画への出演が続く注目株。『唄う六人の女』でも可憐さと観る者の心を掴む感情表現で存在感を見せているが、これまでの道のりは順風満帆ではなかったようだ。しかし、彼女は決してブレることなく進んできた。彼女はこう語る。

「観てくださる方、応援してくださる方の感情を動かしたい、届けたい。それがすべてなんです」

“感情が動いていないけど、涙だけ出ている”
そういう演技は絶対にしたくない

「TOHOシネマズ・ピックアップ・シネマ」では毎回、未来の映画界を担う才能が紹介され、関連作品の上映とトークイベントが開催される。彼女は本イベントの第6弾に自分が選ばれたことについて「素直にうれしかったです!」と笑顔を見せる。

「私の活動に注目してくださる方がいるということは本当に光栄なことですし、これまでずっとやってきて大変な時期もありましたけど、そういうことがあったからこそ、今回のお話は本当にうれしかったです。私のことを見てくださっている方がちゃんといたんだな、と」

桃果は2000年生まれ。小学生のときにスカウトされ、モデルとしての活動を開始したが、いつも演技することに重点を置いてきた。

「幼い頃からドラマが大好きで、このお仕事をするのであればお芝居の仕事がしたいと思ってきました。もちろん、キレイな服を着て、可愛く撮ってもらえることも楽しいんですけど、お芝居では人間のキレイではない部分、ドロドロとした部分、人間らしい部分も演じることができる。私はいろんなことに興味があるので、演じることで、いろんなことをやってみたい、いろんな人間になってみたいと思っています。

『唄う六人の女』の中でも本当に泥だらけになるシーンもあるんですけど(笑)、そういうシーンを演じるのも本当に楽しいんです。そうやって演じたものを観ていただきたいですし、私も子どもの頃からドラマや映画の演技を観て“助けられた”という感覚がずっとあるので、自分も観ている人の感情を動かす演技がしたい、という想いがあります。

『唄う六人の女』

演じる中で生まれる感情は日常とはまったく違う部分もありますけど、演技は全身を使ってするものだと思うんです。表面だけで演じてもダメで、自分の感情をすべて使って本当に心が動いてないと、観てくださる方の心も動かない。だから泣くシーンでも“感情が動いていないけど、涙だけ出ている”という演技は絶対にしたくなくて、仮に涙が出なかったとしても、本当に心が動いていれば、観る人の心が動かすことができると思っています。

撮影中はキツいことや体力的にしんどい場面、役に入り込めない不安もありますけど、演じる以上は完璧にやりたいと思っているので……とにかく頑張るしかない!(笑)。作品が完成したときに悔いが残るようにはしたくないので」

この先は良いことが起こりそうな
予感がしているんです

そんな彼女にもキャリアをうまく形成できず、つらい想いをしたり、悩んだ時期があったという。

「しんどい時期は長かったですね。小さい頃からやっていますけど、くやしいこともあったし、“これはしょうがないことなんだ”と理解することも多くありました。私は最終的には“私自身が幸せであればいい”と思っているので、演じることが本当にしんどいのであれば、幸せになるための選択として“やめる”ことがあってもいいと思うんです。でも後悔したくはないから、この仕事を続けたいと思ってきました。ただ、環境だったり、そのときの状況とかいろんなことが重なってうまくいかない時期も多くて、悩んだりはしてましたね。

最近は、つらいこともあるだろうけど、この先は良いことが起こりそうな予感がしているんです(笑)。どんどん強くなっている気がしますし、いろんな経験をしてきたからこそ、すごく成長できたと思うんです。だから、過去はあってよかったと思いますし、どんな経験も大切だな、と思っています」

そんなとき、いつも観てくれる存在がいた。彼女のファンだ。

「そうなんです! だから、ファンの方のことはすごく考えるんですよ! 私は自分に自信がないというか、自己肯定感の低い方だと思うんです。だから落ち込むこともありますけど、ファンの方のコメントや声にすごい救われてきました。ファンの方と会える機会がたくさんあるわけではないですけど、会えるときにはちゃんと感謝を伝えたいと思っていますし、会える機会、直接感謝を伝えられる機会をこれからも増やしたいと思っています。だから、映画の舞台あいさつでファンの方にお会いできることは本当に楽しみなんです。大きい会場であっても、来てくださった方おひとりおひとりの顔を見ています」

その活動や演技に注目が集まるいま、彼女の“この先は良いことが起こりそうな予感”はきっと現実のものになるだろう。これから先も彼女のやりたいこと、目指す道はブレることはない。

「観てくださる方、応援してくださる方の感情を動かしたい、届けたい。それがすべてなんです。だから、自分だけのことじゃないんですよね。いつも観てくださる方のために自分には何ができるのか? そのことを常に考えて演じていきたいです」

取材・文:ぴあ編集部
撮影:源賀津己
(C)2023「唄う六人の女」製作委員会

『唄う六人の女』
https://www.six-singing-women.jp/#

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